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音楽の旅

VOL.
01
   ドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」 2017.April

ドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」
試聴する

ドナルド・フェイゲンの82年作「ナイトフライ」は、米ロック/ポップス史に燦然と輝く大名盤であると共に、オーディオファイルにとっても定番的なマストアイテムだ。当時最先端であった米3M社の32トラックデジタル録音機で製作されたその音楽は、周波数レンジやS/Nの高さに裏打ちされ、楽器の生音やスタジオのナチュラルなアンビエンスをリアリスティックに捉えたものとして、多くのオーディオファイルにとってリファレンスの1枚となっているアルバムなのである。

では、このアルバムの音楽的魅力はどこか。それは、ゴージャスなスタジオミュージシャンを統率するフェイゲンのアレンジの妙と、楽曲が齎らす都会的でハイセンスな“空気感"にある。それはリズムやメロディーの雰囲気もあるだろう。あるいはフェイゲンの歌い方や語呂合わせに負うところも大きい。

ドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」02

「ナイトフライ」が描いたイメージは、そのジャケットにも現われている通り、1960年代前後の古き良きアメリカのライフスタイルだ。ローカル局のFMラジオからゴキゲンなジャズやポップスが流れ、人気DJの軽快なお喋りと共にそれを楽しんでいるリスナーがたくさんいる時代。音楽が人々の生活に密接につながっていた時代である。

JVCのCLASS-Sモデルも、そんな風に音楽好きの人々と密接に関われることを願って作られたヘッドホン/イヤホンである。上質の使用部材を丁寧な仕上げで作り込み、最新のオリジナル技術を惜し気もなく投入して完成されている。

ドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」03

今回試聴したWOOD 01 inner(HA-FW01)は、JVCが近年積極的に推し進め、ブラッシュアップを重ねてきた木製の振動板「ウッドドームユニット」を搭載。従来よりも薄膜化に成功し、ハイレゾ音源の微細なニュアンスをよりリアルに再現できるようになった。また、異種材料を組合わせて振動をコントロールする「メタルハーモナイザー」により、スケール感豊かなサウンドが実現されている。

<I.G.Y.>のシンセイザーのメロディーとソウルフルなコーラスが重なる様子は、WOOD 01 inner(HA-FW01)で聴くと実に細やかな雰囲気が伝わってくる。シングルヒット曲<ニュー・フロンティア>のダンサブルなビートは、聴いていて何だかハッピーな気持ちにさせてくれる。ローエンドががっちり再現されている証だ。

都会の喧騒から離れて音楽に没入したい時、WOOD 01 inner(HA-FW01)は、そのいい相棒になってくれそうだ。

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