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CLASS-Sなモノ・コト

VOL.
02
   Brooks Brothers 「Dress shirt」 2016.May

Brooks Brothers「Dress shirt」

CLASS-Sな逸品
Brooks Brothers 「Dress shirt」

米国南西部は良質な綿の生産地として知られるエリアだ。ここで育まれる長繊維綿花で高級品種とされるのがピマコットンである。さらに、その中でも繊細かつしなやか、それでいて抜群の強度を誇る最高グレードのものがスーピマ(Superior Pimaの略で、米国スーピマ協会の商標)コットンと名乗ることが許されているそうだ。世界3大綿のひとつとも言われている。また、染料との相性も抜群で、美しい発色が長持ちするのも特長。しかし、限られた土地でしか栽培できないため、その生産量は米国産の全コットン中、わずか数パーセントにとどまるという。

そんな一級品を早くから採用しているのがブルックス ブラザーズである。アメリカンクラシックの象徴として君臨する同社は1818年(文化15年!)にヘンリー・サンズ・ブルックスによって創業。レディーメイドのスーツやポロカラー(ボタンダウン)シャツ、ノンアイロンシャツなどを開発し、ヒットさせてきたという事実は、今でこそ佇まいはトラディショナルだが、その根底には革新的な発想が息づいていることの証左だ。2007年秋冬からはトム・ブラウンとのコラボレーション「ブラックフリース」も展開している。

Brooks Brothers「Dress shirt」02

ポロカラーシャツはヘンリーの孫、ジョン・E・ブルックスが英国でポロ競技を見た際、選手たちが風で襟が揺れないよう、ボタンで留めていたことから着想した。1896年のことだ。なお、掲載したシャツは襟やカフ、ボタンなどを過去のアーカイブに沿ってリニューアルが図られた最新モデルである。

現在、スーピマコットンを用いたラインは、レディースやキッズにも及んでいる。ちなみにスーピマコットンの別名は「綿のカシミア」。そんな最高級の素材を惜しげもなく用い、シャツやセーターなどいった「リアルクローズ」「普段着」として提供している。袖を通せば誰もが、その肌あたりの良さを実感するはずだ。素材を見事に自家薬籠中の物としているのだ。その上、デザインは飽きが来ず、コーディネートもしやすい。こうした物づくりは一朝一夕で成せるわけでは、もちろんない。

Brooks Brothers「Dress shirt」03

ヘッドホンという、音楽に触れるための装置もまた同様の側面を持つ。良質な素材やパーツを追い求め、組み込み、製品として日常にさりげなく存在させること。CLASS-Sが目指しているのは、間違いなくそこだろう。JVCの歴史を背景とした揺るぎのないスタンスがここにはある。素材と向き合い、奇をてらわず製品を仕上げてゆく。その連続こそがCLASS-Sを、やがて真のトラディショナルへと導くのではないだろうか。

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