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CLASS-Sなモノ・コト

VOL.
28
  扇子 白竹堂「柿渋モダン」2018.July

扇子 白竹堂「柿渋モダン」

CLASS-Sな逸品
扇子 白竹堂「柿渋モダン」

高温多湿な日本の夏。故に日本では古来より涼を感じるために様々な工夫を凝らしてきた。扇子や団扇はその代表格だろう。

日本での扇子のルーツは奈良・平安時代にまで遡り、薄い木の板を綴り合わせものに始まる。素材に木を使っている点に、楽器やオーディオ、とりわけ木の振動板を採用したCLASS-Sのイヤホン「WOOD inner」シリーズにも通じるものを感じてしまうのは少しオーディオファン目線すぎるだろうか。

白竹堂の手がける京扇子「柿渋モダン」は、そんな考えから思わず手にとった逸品だ。白竹堂は享保三年(1718年)、江戸幕府第8代将軍徳川吉宗の時代に「金屋孫兵衛」の屋号で西本願寺前に寺院用扇子の店を構えた、歴史ある扇子の老舗である。

「柿渋モダン」は、開くと約40cmになる持ち歩きやすい京扇子だ。竹による扇骨と扇面(せんめん ※布や紙を貼り付けて風をとらえる部分)が形成する有機的なラインの美しさには、職人技を感じずにはいられない。

扇子 白竹堂「柿渋モダン」

扇面には、商品名の由来でもある柿渋染めによる抽象的な模様がデザインされている。その製法の特性上、まったく同じ模様は存在しない一点物となるのも“自分だけの逸品”という所有欲を刺激してくれる。

柿渋染めとは、青柿から得られる渋液を何年も熟成させて染め上げる製法。使い込んで時を経るごとに、味わい深い色味に変わっていく。オーディオの世界には製品を使い込んで音質を安定させる“エージング”という行為があるが、使い込むほどに味が出るという点で、この柿渋モダンとオーディオには相通じるものがある。

扇子 白竹堂「柿渋モダン」

ポケットやバッグからサッと扇子を取り出し涼を取る。海外ではハンカチをパタパタする人が多いのを見ていると、自然素材に職人が手間を加えて機能的に涼を取る扇子は、どうも日本のお国柄に通じているように思える。

ウッド振動板やウッドハウジング等、木の素材を採用した「WOOD inner」。JVCが木を用いたヘッドホン、イヤホンの開発に辿り着きオーディオの世界で人気を博しているのも、様々な場面で太古の昔から連綿と受け継がれてきた職人たちの技があったことがどこかで影響しているのかもしれない。

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