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音楽の旅

VOL.
13
   レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」 2018.April

レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」
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本連載も丸1年を迎えた。初心に返り、これからも良質のアルバムをいい音で聴く愉しみを皆さんに張り切って伝えていきたいと思っているので、引き続きよろしくお願いいたします。

さて、そんなことで今月は原点に立ち返り、私がロックをいい音で聴く醍醐味を初めて味わったアルバムを紹介したい。レッド・ツェッペリンの6枚目のアルバムにして、初の2枚組「フィジカル・グラフィティ」だ。

1975年2月に発表された本作は、アトランティックレコードとの契約満了に伴って新たに立ち上げたプライベートレーベル「スワン・ソング」からの第一弾作品。車載スタジオや郊外の古城のような邸宅での合宿を経てLP1枚半分の楽曲を録音し、それに未発表曲を加えて2枚組とした。ミキシングはロンドンのオリンピックスタジオで行なわれている。

当時のアルバムジャケットには、外袋と内袋の2重構造に遊び心が盛り込まれていた。アパートの建物が印刷された外袋は窓が刳り貫かれており、内袋に描かれた人物がそこから見える仕掛けになっていたのだ。

アルバムは全米ビルボード・チャートで初登場3位を記録。翌週には首位となり、その座を6週間キープした。全英チャートでも、1週のみだが首位を達成している。

レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」

ツェッペリンの音楽を再生する上で重要なポイントは何か。それは、ワイルドかつダイナミックな演奏を十二分に再現するパワフルさである。そこで今回選んだのが、“WOOD 01”こと、オーバーヘッド型の「HA-SW01」だ。

1T(テスラ)という高い磁束密度を実現した「ハイエナジー磁気回路」と、独自の薄膜化技術によって完成された40mm口径ウッドドーム振動板がドライブ感に溢れたハードなサウンドを存分に再現してくれるのだが、その後ろ盾となっているのが、ドライバーのポテンシャルをフルに引き出す各種音響パーツである。ウッドバッフルや響棒、ブラスリングといった部材は、ひとつひとつ効果を確かめながら最適にチューニングされている。

また、ドライバー前面のメッシュ素材や開口率にこだわったイヤーパッドは、ハイレゾ・コンテンツのポテンシャルを余すことなく引き出すよう吟味されている。適度な側圧で柔軟性もある「コンフォータブルイヤーパッド」は外部の騒音を高いレベルで遮ってくれるため、音楽に集中して向きあえる。また、外部への音漏れも少なくなるため、ツェッペリンのようなハードロックを大きめの音量で楽しみたい場合には特に最適だ。

レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」

伝統的なゴスペル曲をリアレンジした「死にかけて」は、ヴォーカルのロバート・プラントのシャウトが印象的なスローなハードロック曲。ギターのスライド/グリッサンドが印象的なイントロから、ジョン・ボーナムのダイナミックなドラムに先導されるようにプラントが歌い始める。ヴォーカルのハイノートと、キックドラムのヘヴィーなビートといった相対する エネルギーを、HA-SW01は明確な 芯を伴って再現。安定感のある力強いエネルギー感が実感できる。

バンドを代表するナンバーと今日称されている「カシミール」は、ギターのジミー・ペイジの独創的なリフが素晴らしい。8ビートのリズムにかぶせられた管楽器と弦楽器も新鮮だ。バンドとしての一体感やアンサンブルの妙味も感じ取れる。このスケールの大きな演奏をHA-SW01がパノラミックに再現したのには大いに感銘した。

80分を越える大作を、優れたヘッドホンで聴く愉悦。これだからCLASS-Sでのヘッドホン・リスニングはやめられない。