2004年9月24日 報道発表

独自開発のマイクロディスプレイ・デバイス“D-ILA”の新ラインアップ

超高精細885万画素を実現した
「4K2K D-ILAデバイス&プロジェクター」を開発


〜NHKが愛知万博で出展する
「スーパーハイビジョン(8K4K)」のプロジェクターに採用が決定〜



「4K2K D-ILAデバイス」 4K2K D-ILAプロジェクター
<「4K2KD-ILAデバイス」> <「4K2KD-ILAプロジェクター」>



 日本ビクター(株)は、独自開発のプロジェクター用マイクロディスプレイ・デバイスD-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)の新ラインアップとして、フルHDの4倍以上の画素数である超高精細885万画素(水平4096×垂直2160)を実現した「4K2K D-ILAデバイス(仮称)」および「4K2K D-ILAプロジェクター(仮称)」を開発しました。

 当社はすでに2000年秋に786万画素(水平3840×垂直2048)の“初期4K2K D-ILAデバイス”を開発し、2001年3月より研究目的のユーザーにそのデバイスを搭載したプロジェクターの供給を開始。ハリウッド映画スタジオのメンバーで構成される協議機関「デジタルシネマイニシアティブ(DCI)」が推進する4Kスペックは、この“初期4K2K D-ILAデバイス”搭載プロジェクターを用いて行われた様々な実験上映や検証を経て規格化されました。

 今回当社が開発した「4K2K D-ILAデバイス」は、DCIの制定した画素数に合致させるとともに、“初期4K2K D-ILAデバイス”の持っていた課題を大幅に改善したもので、新たに画素ピッチ9.5μmの新世代生産プロセス技術を採用し、同じ対角1.7インチサイズながら超高精細885万画素を実現しています。

 当社は本デバイスを搭載した「4K2K D-ILAプロジェクター」を、10月5日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2004」に出展し、その超高精細&高画質映像を迫力の大画面でアピールします。
 また、来年の3月に始まる「愛知万博」でNHKが出展する「スーパーハイビジョン」の上映では、本機を利用し、解像度をさらに4倍にして投影するプロジェクターが使用されます。「スーパーハイビジョン」はNHK放送技術研究所が世界に先駆けて研究・開発を進めているもので、「愛知万博」でのシンボルパビリオン“グローバル・ハウス”において、走査線4320本の超高精細な映像を600インチ大画面で上映する予定です。


<「4K2K D-ILAデバイス」の主な特長>
1. 画素ピッチ9.5μmの新世代生産プロセス技術を採用し、DCIが制定した4Kスペックに準拠した超高精細885万画素(水平4096×垂直2160)を実現。
2. 92%以上の高い開口率と、独自の増反射画素構造により、高光利用率(75%以上)を実現。
3. 素子内回路設計の見直しにより、クロストーク、反射・ゴーストなどのノイズを大幅に低減し、既発売の0.82インチフルHDデバイスで定評のある高画質を、さらにブラッシュアップ。
4. 高平坦化による反射率の向上(75%)。
5. 既発売1.3インチQXGAデバイスのプロセス技術を応用し、高い信頼性と均一性を実現。

<「4KD-ILAプロジェクター」の主な特長>
1. 超高精細885万画素(水平4096×垂直2160)を実現し、DCIの4Kスペックに準拠。
2. DCIのスペックを上回る広い色再現範囲。
3. 高輝度(2000Wのランプで8000ANSIlm)。

「4K2K」の解像度イメージ
<「4K2K」の解像度イメージ>


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<開発背景>
 ネットワークの広帯域化とコンピュータの性能向上にともない、自由な解像度で映像を処理・伝送することが実現可能な環境が整ってきています。当社は1996年より、こうしたインフラの環境変化に対応すべく、ハイビジョン解像度を超える超高解像度映像システムの開発に着手。2000年秋に786万画素(水平3840×垂直2048)の“初期4K2K D-ILAデバイス”を開発し、2001年3月より研究目的のユーザーに本デバイスを搭載したプロジェクターの供給を開始しました。以後、国内外での様々な超高解像度映像システムの研究・取り組みに貢献してきました。
 今回開発した「4K2K D-ILAデバイス」は、この“初期4K2K D-ILAデバイス”を大幅に改善するとともに、DCI制定の4Kスペック画素数に合致させたものです。
 当社は、2004年10月5日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2004」に、この「4K2K D-ILAプロジェクター」を、800万画素C-MOSカメラや非圧縮ビデオサーバと合わせた“4K2K超高解像度での動画撮影・記録・上映を行えるトータルシステム”として出展し、当社の高画質技術をアピールします。


<「4K2K D-ILAデバイス」主な仕様>

●表示サイズ:対角1.7インチ ●画素数:水平4096×垂直2160
●反射率:78% ●コントラスト:5000:1(デバイスとして) ●画素ピッチ:9.5μm
●画素間ギャップ:0.35μm ●応答速度:10ミリ秒 ●液晶モード:垂直配向
●配向膜:無機配向膜 ●駆動素子:0.35μm CMOSプロセス ●液晶セルギャップ:3.2μm以下

<「4K2K D-ILAプロジェクター」(プロトタイプ)の主な仕様>
●画素数:4096×2160画素(DCI準拠)
●輝度:8000ANSI lm
●コントラスト:1500:1


<当社のD-ILAへの取り組み>
D-ILAは当社が独自に開発したプロジェクター用マイクロディスプレイデバイスで、高輝度と高精細化の両立が図れることで注目されている反射型液晶デバイス“LCOS”(Liquid Crystal on Silicon)の代表的なモデルです。当社は、97年10月にSXGA(130万画素)タイプの開発に成功し、同年末にD-ILAプロジェクターを発売。以来、ハイエンド・プロジェクター向けデバイスとして多年にわたる量産供給実績を持っています。また、今夏より、北米市場向けにD-ILAリアプロジェクションテレビの量産・販売を開始しました。



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