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GENESSA

2007年9月27日 報道発表

最先端のデジタル高画質映像技術を駆使した、ビクター独自の映像処理システム
大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」を開発
~大画面・高精細テレビに相応しい“緻密で色鮮やかな”高品位映像を再現~


※写真は、「次世代高画質エンジン」LSI(試作品)です。


 日本ビクター(株)は、急速に広まる高精細・大画面時代に向け、映像コンテンツや表示デバイスを選ばずに“緻密で色鮮やかな色表現”と“人の目に優しい映像”を両立する、大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」を新たに開発しました。この新たな映像処理システムを搭載することにより、高精細コンテンツはもちろん、ハイビジョンムービーなどによるプライベートコンテンツまで“大画面・高精細テレビに相応しい高品位映像”を再現可能です。


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大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」とは

 2004年4月、弊社は「原色探究」の思想のもと、長年培ってきた独自の高画質映像技術を1 つのシステムLSI に統合した世界初※1のCPU搭載映像処理専用LSI として“映像知能”「GENESSA(ジェネッサ)」を開発し、発表。以降、「GENESSA(ジェネッサ)」は“人間が最も美しいと感じる映像をリアルに再現する”というコンセプトを実現すべく常に進化を続け、液晶テレビ“EXE”シリーズをはじめとした「GENESSA」シリーズ搭載機種は、その映像コンテンツが持つ本来の情報を引き出す“豊かな色彩と映像表現力”で高い評価を得ています。
 今回開発した「次世代高画質エンジン」は、高画質性能で高い評価を得ている「GENESSA」シリーズの信号処理性能を飛躍的に高め、急速に広まる大画面時代に相応しい“緻密で色鮮やかな”高品位映像を再現するとともに、眩しさやちらつきを抑えた“人の眼に優しい”テレビを実現します。

※1…2004年4月20日発表、当社調べ


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大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」システム概念図



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大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」の主な特徴

 高品質な“最新フォーマット映像信号”や10bit超へと進化する“表示パネル”、急速に進む“大画面化”へのニーズに対応すべく、“映像処理エンジンのビット精度の大幅向上と、高度な新・画像処理アルゴリズムの開発”により、圧倒的な動画品位を実現します。


1.「リアル36bit映像処理」による、高精度の信号処理品質を実現

 デジタル映像処理の演算精度を大幅に向上。「36bit DeepColor」入力に対応するともに、「36bit RGB処理」による極めて精度の高い信号処理品質を保持することで、“約680億色の表現能力”と“デジタル化による劣化を感じさせない高品位な映像再現”を実現します。


2.上質なコンテンツを創り出す新発想のビット拡張技術「Real Bit Driver(リアルビットドライバー)」を搭載
~ 8bitの映像から12bit精度の映像を創出~

 液晶パネルがRGB各10bit表示へと進化する中、現在のデジタル放送やDVDなどのデジタル映像コンテンツはRGB/Y,Cb,Cr(Y,Pb,Pr) 各8bitが主流となっています。8bit映像が入力された場合、「コンテンツのビット精度を劣化させない」という従来の映像処理回路のビット拡張では、表示映像の品質向上には不十分でした。
 今回、当社は「映像ソースの限界を超えて上質なコンテンツを創り出す」という新発想のもと、“8bitの映像から12bit精度の映像を創り出す”まったく新しいビット拡張技術「Real Bit Driver」の開発に成功しました。“TVに入力された信号を12bit化し、その後に高画質処理を行う”という当社独自の手法により、映像ソースのもつ精細感を欠くことなく、ビット数不足による階調部の疑似輪郭妨害がない、自然で滑らかなグラデーションを再現します。

■ Real Bit Driver(リアルビットドライバー)の効果



3.“倍速120コマ技術”の応用から生まれたノイズリダクション技術
「i-ClearMotion NR(アイ・クリアモーションノイズリダクション)」を搭載
~動きのある映像においても動画ボヤケを抑え、高いノイズ抑圧効果を実現~

 従来の一般的な「3次元ノイズリダクション」は、静止画像に対しては3次元処理により大きなノイズ抑圧効果を得られるものの、動画像に対しては、動画ぼやけの弊害を軽減するために3次元処理を停止させるのが主流でした。
 今回の「次世代高画質エンジン」では、当社が世界に先駆けて開発した「120Hz 倍速液晶ドライブ(倍速120コマ)技術」の高精度・動き予測技術をノイズリダクションに応用することで、従来不可能だった“動きのある映像に対する3次元処理”を可能とし、動画ボヤケを発生させずに高いノイズ抑圧効果を実現しています。また、映像コンテンツに含まれるノイズ量を映像の周波数帯域毎に正確に検出する技術を同時開発。テレビの放送チャンネルやコンテンツの品質に合わせて最適なノイズ除去量を自動調節することで、常にノイズの少ない美しい映像を再現します。


■ i-ClearMotion NR(アイ・クリアモーションノイズリダクション)の効果

  i-ClearMotion NR ビクター従来型3次元NR 一般的な3次元NR
動画時の対応 動画時も3次元NR処理 動画時は2次元NR処理 動画時はNRオフ
ノイズ検出、
適応処理方法
映像内のノイズ量を周波数帯域毎に
検出し、帯域毎に最適なノイズ除去
量を、細かく自動設定

映像内のノイズ量を検出し、
最適なノイズ除去量を自動設定

ノイズ量によらない、
固定的なノイズ除去

※効果をわかりやすく説明するためのイメージです。


4.当社独自の高画質技術“GENESSA”で培った「インテリジェント高画質処理技術」をさらに進化

 コンテンツの明暗部それぞれを細かくコントラスト調整し、奥行きのある映像表現を可能にする「インテリジェントγ(ガンマ)」、ノイズを抑えクッキリとした映像を再現する「インテリジェントクリア」に加え、よりリアルな色再現を実現する「Real Color Creation (リアルカラークリエーション)」を新たに開発し、搭載しました。
 この「Real Color Creation (リアルカラークリエーション)」は、“注目した物体の色彩に対する視覚感度が高まる”という人間の目の特性を利用し、“映像1 枚1枚の色分布をリアルタイムに分析”することで、人間の着目する映像をよりリアルな色彩と質感で再現することが可能です。


5.被写体の質感や素材感まで、よりリアルな色彩表現が可能な「“x.v.Color”対応信号処理技術」

 従来のテレビでは再現が難しかった“自然界の色”をより忠実に再現するための色信号空間拡張規格である「xvYCC 規格」※2に対応した、独自の「“x.v.Color”対応信号処理回路」※3を開発しました。ディスプレイの色再現範囲を拡大するとともに、被写体の立体感や素材感まで、その表示能力をフルに活かしたリアルな描写と色彩表現を可能です。



※2…xvYCC 規格は動画色空間の国際標準規格です。 ※3…“x.v.Color”およびは商標です。


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開発背景

 近年、フラットパネルにおける技術進化はめざましく、2005年10月に当社が世界に先駆けて開発・商品化(「LT-37LC70」)した、液晶テレビの動画表示性能を飛躍的に向上させる“倍速120コマ”技術をはじめ、臨場感豊かな映像再現を目指してテレビは日々進化を続けています。また同時に、次世代ディスクやデジタルハイビジョン放送、さらには当社フルハイビジョンムービー「GR-HD7」に代表されるハイビジョンビデオカメラで撮影したプライベート映像などの高精細コンテンツの普及により、液晶パネルをはじめとしたフラットパネルは“さらなる大画面”を求める市場ニーズによる大型化が急速に進んでいます。
 このような市場背景を受け、当社は“より高精細な大画面映像”に対応しつつ、“緻密で色鮮やかな色表現”と“人の目に優しい映像”を両立させるための新映像処理技術について研究開発を進めてきました。
 今回開発した大画面ディスプレイ用「次世代高画質エンジン」は、これらの新映像処理技術を1つのシステムLSIに凝縮したもので、当社は今後、この技術を液晶パネルをはじめとした大画面ディスプレイに対応した基幹技術として、幅広く採用を予定しています。


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当社画像処理LSIの変遷



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[2007年09月27日]