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大河内記念技術賞

2008年3月21日 報道発表


「話速変換技術機能を搭載したラジオ・テレビの開発」が
第54回(平成19年度)大河内記念技術賞を受賞
~当社ハイビジョン液晶テレビやラジオへの搭載(聴取補助技術“きき楽”として)が評価~



「話速変換技術機能を搭載したラジオ・テレビ」の例


地上・BS・110 度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ“エグゼ”「LT-47LH905」
TV/FM/AMラジオ「RA-BF3」


 日本ビクター(株)と日本放送協会が行った「話速変換技術機能を搭載したラジオ・テレビの開発」が、財団法人大河内記念会※1から、第54回(平成19年度)大河内記念技術賞を受賞しました※2

 大河内賞は、財団法人大河内記念会が毎年、各方面からの推薦に基づき、「わが国の生産工学、生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施等に関する顕著な功績」に贈呈しているもので、その中でも大河内記念技術賞は、「生産工学、生産技術の研究により得られた優れた発明、または考案に基づく産業上の顕著な業績」に対して贈られるものです。

 今回の受賞対象となった「話速変換技術機能を搭載したラジオ・テレビの開発」は、「近年のラジオやテレビの放送が『早口に感じられて聞き取りにくい場合がある』という多くの高齢者が感じている問題を解決するために、早口の音声をリアルタイムに、あたかもゆっくりと話しているような速度に話速変換する技術」(大河内記念会による受賞理由より)です。単に音声信号を一様に伸張してゆっくりとした音声を再生する技術は従来からありますが、放送においては時間内に視聴したいという要求があり、特に、テレビでは時間遅れを蓄積させず画面との同期矛盾を起こさないように話速変換する必要があります。本開発は、これらの問題を解決可能な“話速変換アルゴリズム”を研究開発するとともに、そのアルゴリズムをLSI化することで、当社の聴取補助技術“きき楽”として、TV/FM/AMラジオ「RA-BF3」や、地上・BS・110 度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ“エグゼ” 「LT-47/42/37LH905」など、当社液晶テレビの主要機種に搭載することに成功しています。

 なお、大河内記念会による本開発の受賞業績(抜粋)は以下の通りです。
「本業績では、世界に先がけて発話開始時のみならず声の高いところを伸ばすことや、息継ぎ以外の間も見つけ利用するなどの工夫をして問題を解決し、テレビにも適用可能としている点に技術的な特徴がある。」「一般的に、福祉用の機器は、せっかく良いアイディアがあっても販売台数が限られることから実用化されにくい。本研究開発は、『NHK』と『ビクター』の情熱が機動力となり、ラジオから始まり、テレビにまで適用し、日本ビクターのほぼすべての製品に実装するに至った数少ない成功例である。」

 当社は栄誉ある今回の受賞を励みとして、今後も引き続き、より使いやすい製品づくりに努力していきます。

 なお、今回の贈賞式は、平成20年3月11日(火)、日本工業倶楽部会館(丸の内)にて開催されました。

※1:大河内正敏博士(元・財団法人理化学研究所所長、ピストンリングや金属マグネシウムの製法等を発明)の学界、産業界に残された功績を記念して、1954年(昭和29年)に設立され、その後今日まで、博士の遺志となった「生産のための科学技術の振興」を目的として、大河内賞の贈賞事業を始め、研究助成事業、技術交流事業及び出版事業等を実施。
http://www.okochi.or.jp/hp/top.html
※2:受賞者名…今井 篤(日本放送協会 放送技術研究所 主任研究員)、都木 徹(工博 日本放送協会 放送技術研究所 主任研究員)、清山信正(財団法人NHKエンジニアリングサービス チーフエンジニア)、武石浩幸(日本ビクター株式会社AVシステムカテゴリー主席技師)、藤浪喜久(日本ビクター株式会社AVシステムカテゴリー 主席技師)


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[2008年03月21日]