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CLASS-Sなモノ・コト

VOL.
13
   「フォーチュナ東京」 西陣織ネクタイ 2017.April

「フォーチュナ東京」 西陣織ネクタイ

CLASS-Sな逸品
「フォーチュナ東京」 西陣織ネクタイ

今回取り上げるのはネクタイ。新しい物事が動きだすこの季節を迎えるにあたって、一本新調してみてはいかがだろうか、という提案だ。

それに、もし好ましからぬルーティンを抱えているなら、なおさらのこと。普段使いのアイテムを買い換えてリフレッシュして、そこからの脱出を図るのに良いチャンスかもしれないから。これと同じ感覚で、新しい音楽に触れてみるのもよいだろう。イヤフォンやヘッドフォンをCLASS-Sにグレードアップすることで、これまでとは違った春の景色が見えてくることもあるはずだ。

紹介するのは京都で1,200年以上の歴史を誇る西陣織を、モダンな感覚でアップデートする「フォーチュナ東京」からの逸品。同ブランドはネクタイを中心に、扇子やポロシャツ、レディースのワンピースなどにも西陣織を取り入れたアイテムを展開している。

「フォーチュナ東京」 西陣織ネクタイ

ちなみに、西陣は、応仁の乱(気鋭の歴史学者がこの複雑な争いを整理した新書がベストセラーになっているそうだ)で西軍が本陣を構えていたエリアであることに由来する地名。

そこは、すでに平安遷都によって宮廷用の高品位な絹織物を作り出す工房が立ち並び、時代が移り変わっても朝廷や豊臣秀吉らの庇護のもと発展を遂げてきた。江戸期には町人文化の隆盛がそれをさらに後押しした。さらに明治に入ると積極的にヨーロッパから織り機や技術を導入。現代の和装離れが進む中でも、憧れの産地であることに異論を挟むものはいないだろう。

ネクタイに使用される絹糸は3Aスーパーエキストラと呼ばれるもので衣服に用いられるもののなかでも最高グレードにあたるという。横糸は63デニールで、これは、一般的に使用される糸の約1.7倍の細さ。

また、縦糸の密度は10,500本/1mとのことで、一般的な8,000~9,000本/1mをはるかに上回っている。これらの糸を京都の地下水を使用し染色することで発色の良さを追求。さらにジャカード織機で、ゆっくりと丁寧に織り上げてゆくそうだ。

「フォーチュナ東京」 西陣織ネクタイ

実際に触れてみると、そのきめの細かさに驚く。表面が滑らかで、指先に心地よい。この感覚は手にしてみて初めて味わえるものだ。そこにもCLASS-Sと共通するものがあると察した。上質であればあるほど、体験してみなければわからない何かが潜んでいるのだ。

さて、ドットやチェックなど様々な柄のアインアップする中で選んだのはレジメンタルタイプ。ストライプが、タイに向かって右上がり、いわば“/”(スラッシュ)の英国式である。これを本連載の第2回で紹介したブルックスブラザーズのボタンダウンと合わせてみた。ちなみに、英国式のレジメンタルがアメリカに上陸し、流行した際、そのストライプの向きを反対(左上がり)にデザインしヒットさせたのが、ブルックスブラザーズだとされている。

生地の柔らかさ、しなやかさのおかげで結び方の自由度も高い。今回の撮影ではシンプルにプレーンノットとし、軽やかさを演出してみた。ところで、カメラを向けられながら、ふと思い出したことがある。それは初めてネクタイを締めた日のこと。もちろん、ここには記さないけど。みなさんはいかがだっただろうか。フレッシュだった(?!)あの頃を振り返るに相応しい季節でもある。

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