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CLASS-Sなモノ・コト

VOL.
32
  カキモリ「オーダーノート」2019.March

カキモリ「オーダーノート」

CLASS-Sな逸品
カキモリ「オーダーノート」

春は異動や転勤も多い新生活のシーズン。心機一転で新しいことに取り組む際には、まずは筆記用具を新調してみてはいかがだろうか。

今回訪れたのは、職人と問屋の街、東京・蔵前にある文具店「カキモリ」。万年筆やインク、便箋といった一般的な文房具とともに、店内の壁の一面を占めているのが“ノート”だ。

ノートならどこの文房具屋でも手に入るが、カキモリのノートは紙の種類や表紙、留め具など各パーツをすべて自分で選ぶカスタム品。既成品とはまったく違う、自分だけの一冊をオーダーメイドできるのだ。

実用品であるノートを購入するのに、不意に感性を問われて最初は戸惑うかもしない。だが、自身の経験から、そして何を求めるかと思い浮かべれば自ずと手は動く。

文具店「カキモリ」ノート

例えば僕なら……ありきたりの記録を取るノートではなく、デザイン思考を広げるメモとして、B5の大柄でヨコという他にない形を求めたくなった。

表紙には、春をイメージしたような水色・白・ブラウンを組み合わせた鳥の柄をチョイス。裏表紙は厚みのある藍色の紙で、ビジネスで持ち歩ける落ち着いた雰囲気とした。

中紙(実際に字などを書き込むことになる紙)は数十種類を実際に試し書きして選ぶことができる。銀行業務用途として始まった「バンクペーパー」、漫画本と同じ「コミック紙」といった名前の通りなもの、万年筆に向く「フールス紙」など実に様々な種類の紙が用意されている。そんななかから僕が選んだのは、クリーム色でクラシカルな透かしの入った「ライフLライティングペーパー」。書きものをする際のペンタッチの良さはもちろん、紙そのものの質感に思わず惚れ込んだ次第だ。

紙を束ねるリングは、“上下留め”というスタイルを選択。中央部にリングがないため手を邪魔せず、字を書きやすいというメリットがある。B5横向きという特殊な形状のノートであることとともに、僕が最もこだわったポイントだ。ちなみに、留め具は機能性を考えて一般的なゴムのえんじ色を指定。そして、裏表紙にはノートとしての風格を高める金色の角金付きにしてみた。

店内でひと通りの指定を終えると、スタッフがそれをノートとして仕上げてくれる。選んだ部材が手作業で製本機にかけられ、組み上げられていく。完成を待ちながらその一連の工程を見学しているのも楽しい。ノートが自分にとって唯一の存在になる瞬間だ。

文具店「カキモリ」店内

思えば、それはノズルを交換して音質をカスタマイズできる“SOLIDEGE 01 inner SP”「HA-FD01SP」と同じなのかもしれない。さらに言えば、同製品は4種類のノズルを交換して音質をチューニングするだけなく、Bluetoothレシーバー「SU-ARX01BT」でワイヤレス化もできる。

ノズル交換やワイヤレス化で自分好みに仕上げる、そんな過程があるからこそ、思い入れも強くなる。カスタマイズとはたんなる品質の向上だけにとどまらず、唯一無二の付加価値を生み出すことである。

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