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音楽の旅

VOL.
18
   イエロー・マジック・オーケストラ 「イエロー・マジック・オーケストラ(2018 Bob Ludwig Remastering)」 2018.December

イエロー・マジック・オーケストラ 「イエロー・マジック・オーケストラ(2018 Bob Ludwig Remastering)」
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60年代前半生まれの私にとって、日本発のグローバル・ミュージックの最初のヒーローは、間違いなく「イエロー・マジック・オーケストラ」(以下YMO)だった。中学生から高校時代にかけて、どれだけ彼らの音楽を聴いたことか。ラジカセからミニコンポに代わった自宅システムではもちろんのこと、通学時にはFMエアチェックしたライブ・テープを聴いたりしたものだ。

YMOの登場は衝撃的だった。コンピューター・プログラムと音楽を大胆に組合せていたからだ。「はっぴいえんど」や「ティン・パン・アレー」で活躍したベーシスト細野晴臣の呼び掛けに、「サディスティック・ミカバンド」で注目されたドラムス/高橋幸宏と、スタジオミュージシャン/アレンジャーとして売れっ子だったキーボード/シンセサイザーの坂本龍一が応える形で結成されたのが1978年。同年11月25日にアルファレコードから発売されたデビュー作「イエロー・マジック・オーケストラ」は、翌年には全米でもリリース。79年にリリースされたセカンドアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」はオリコン・チャートで1位を獲得し、その後に行なわれたワールドツアーでは各地で大絶賛を浴び、国内外でその人気が爆発した。

イエロー・マジック・オーケストラ 「イエロー・マジック・オーケストラ(2018 Bob Ludwig Remastering)」

YMOの特徴は、シンセサイザーやコンピューター自動演奏が織り成す無機的なメロディーに、グルーヴ感が希薄なビートを組合せたクールな音楽ではあるが、むしろそれが新鮮に受け取られたといってよい。折からのテレビゲームのブームや、身近になったコンピューターという世相も反映され、YMOが“テクノポップ”というジャンルを作ったと言っても過言でないほど追従者を数多く生み出し、内外のミュージシャンや音楽業界に与えた影響は計り知れない。

では、YMOの音楽をCLASS-Sのヘッドホンで楽しむ際には、どんなポイントが考えられるか。それは、音の明瞭度と反応のよさ、といえるのではないだろうか。

選んだモデルは、“SOLIDEGE 01 inner”「HA-FD01」。ステンレスボディを採用したインナーイヤー型で、そのソリッドで高S/NなトーンがYMOのクールな音楽にピッタリ。高強度のステンレスが共振を抑制し、くっきりとした音を再現してくれる。

ウッドドーム振動板を駆動する「ハイエナジー磁気回路」

音色のカスタマイズが可能な「Jマウント ノズル交換システム」もここで試してみた。3種類が同梱されている交換ノズルの中で、 最もクリアーで切れがよい印象のチタニウムが、YMOの音楽と相性が良いように感じた。

今回は結成40周年として今年11月に配信された96kHz/24ビットのハイレゾ・リマスタリング版を試聴した。米国のマスタリングエンジニアの巨匠ボブ・ラディックが手掛けたものだ。

トラック1の「コンピューター・ゲーム“サーカスのテーマ”」とオーバーラップして始まる「ファイアークラッカー」は、ベースとシンセサイザーによるイントロとメロディーがどこか東洋的で、コンピューターが支配的なことがよくわかる楽曲だ。間奏部のピアノは坂本の即興演奏で、ドラムも高橋の人力による。反復される演奏が機械的だが、多分に3人の手弾きによる要素が濃く、その整然としたメロディーとリズムを「HA-FD01」が小気味よく聴かせてくれる。

トラック6「東風(TONG POO)」は、YMO初期の代表作のひとつ。シンセサイザーによるテーマメロディーがワンフレーズずつ重ねられていくイントロが非常に重厚かつスケール感豊かだ。流れるようなメロディーの後ろで華麗に爪弾かれるピアノが、ハイレゾ・リマスタリングによって一段と明瞭に聞き取れるようになった。また、リズムマシーンによるビートもくっきりと再現される。

今回のリマスタリング版の発売は、「YMO40」というプロジェクトで今後も継続する。80年代に一世を風靡したYMOを、CLASS-Sヘッドホンで再評価してみてはいかがだろう。

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