「リアルな重低音」と「解像度の高い中高音」の実現へ向けて STORY1

私たちJVCは、2011年4月に業界初※2のカーボンナノチューブ振動板を搭載したHA-FXT90を発売しました。カーボンナノチューブとカーボン振動板を2つのドライバーに使い分けることで解像度が高く明瞭な中高音の再生を可能にしたこのモデルは、多くのお客様に大変ご好評をいただきました。 「原音探究」を求めるJVC技術陣の次なるチャレンジは、中高音域の明瞭なサウンドを生かしたままリアルな重低音をそこに付加し、両立することでした。すでにツインシステムユニットを利用した中高音の再生に成功していたJVCは、次なるステップとしてそこにウーハーを追加して3つのドライバーユニットを組み合わせる新たな構造を考案しました。
しかし、そこには大きな障壁が待っていました。ただ単にウーハーを付加しただけでは、中高音域に音の「かぶり」が生じ全体的に音の明瞭度が落ちてしまいます。いままでインナーイヤーヘッドホンで、Hi-Fi機器では当然できていなければならない重低音を再現しつつ、中高音まで再生するということがなされていなかった原因がそこにあります。
いかにしてサブウーハーから不要な中高音域をカットすることができるか……?

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※2 ダイナミック型インナーイヤーヘッドホンとして2011年4月20日発売。