リアルな重低音とクリアな中高音が、原音の迫力を余すところなく伝える
新構造ヘッドホン HA-SZシリーズ

ライブステージの生の音を、そのままの臨場感で届ける。JVCの原音探究へのひたむきな情熱は、ヘッドホンの歴史に新たな1ページを書き加えた。リアルで迫力のある低音域と解像度の高い中高音域を両立させるという課題に挑み、業界初のLIVE BEAT SYSTEMを開発。JVCのサウンドが、また一歩原音に近づいた。

ダイナミック型バンドタイプヘッドホンとして。2013年5月21日発売。(当社調べ)

オーディオスピーカーの音響理論、ケルトン方式をヘッドホンに応用

インナーイヤーヘッドホンやバンドポータブルヘッドホンにおいて、1つのドライバ-ユニットだけできめ細かな中高音とリアルで迫力のある重低音を両立させるのは難しいことです。そこで、中高音域用と低音域用の複数のドライバ-ユニットを採用することが考えられますが、双方のドライバ-ユニットの周波数帯域を干渉させないようにする必要があります。ネットワーク回路を採用して電気的に帯域を減衰させることも可能ですが、臨場感のあるライブな音に近づけるためには、なるべく電気的な手法に頼りたくありませんでした。そこでJVCは、オーディオ用スピーカーの一方式であるケルトン方式に注目。ケルトン方式とは、スピーカーユニットの片側を密閉し、もう一方に空気室を設け、共鳴ダクトからヘルムホルツ共鳴を利用して低音域のみを抽出することが可能なスピーカー構造です。

ケルトン方式のスピーカー

HA-SZシリーズでは、さらにダブルバスレフ方式を応用

バンドポータブルヘッドホンHA-SZシリーズでは、ケルトン方式に加えスピーカーシステムの音響理論のひとつであるダブルバスレフ方式を応用して、さらに進化したストリームウーハーDBを開発しました。ダブルバスレフ方式とは、低音ユニットからの出力を2つのチャンバー(空気室)を通過させることにより、一度減衰させた中高域をさらに減衰させることができるスピーカー方式のことです。

ダブルバスレフ方式のスピーカー

HA-SZシリーズのストリームウーハーDB周波数特性

業界初の新構造ストリームウーハーDB(ダブルバスレフ)

重厚な低音域を再生する大口径55mmのカーボン振動板を制振性に優れた高剛性ユニットベースで包み込み、ハウジング内の第1チャンバー(空気室)に直径8mm・長さ8mmの第1バスポートを3ヵ所に設けました。さらにその周りを囲むようにドーナツ状に第2チャンバーを設置。第2チャンバーには、直径6mm・長さ70mmの第2バスポート「デュアルストリームダクト」を装備しています。インナーイヤーヘッドホンHA-FXZシリーズでは、耳の内部の約2cm3の空間を低音で満たすために内径0.4mmという針のような微細なダクトを使用しましたが、HA-SZシリーズではイヤーパッド内部の約40cm3の空間を低音で満たすために内径6~8mmのダクトを採用し、2つのチャンバーとバスポートを通過させるダブルバスレフ方式により、中高域を確実に減衰し、低音域のみを再生します。

新開発の大口径55mmカーボン振動板を搭載した重低音用ユニット

ストリームウーハーDBの構造

シングルバスレフ構造とダブルバスレフ構造の周波数特性比較

HA-SZシリーズには重低音を導き出すデュアルストリームダクトを採用

HA-FXZシリーズでは針のような細さの独特の形状をしたストリームダクトにより、リアルな重低音を取り出しましたが、バンドポータブル型のHA-SZシリーズでは、ダブルバスレフから2本のデュアルストリームダクトにより重低音を導き出しています。どちらも原音探究のために、限られたスペースの中で試行錯誤の末、たどり着いた画期的なフォルムです。

ストリームダクト
(HA-FXZシリーズ)

デュアルストリームダクト
(HA-SZシリーズ)

ストリームウーハーDBのために専用チューニングを施した中高音ユニット

中高音ユニットには、軽量で剛性が高くクリアで伸びのある中高音を再生する直径30mmのカーボンナノチューブ振動板を採用。ストリームウーハーDBの豊かな重低音とバランスを配慮した専用のチューニングを施してあります。

中高音ユニット

直径30mmのカーボンナノチューブ振動板

低音ユニットに合わせ中高音ユニットに専用チューニングを施し理想的な周波数特性を実現

高剛性・制振シリンダーにより不要な振動をカット

豊かな低域成分を抽出するストリームウーハーDBは、高剛性素材を使用した制振シリンダーに収め、不要な振動を極力抑えています。プレミアムモデルのHA-SZ2000には、比重が大きく制振性の高いブラス(真鍮)製のシリンダーを採用。HA-SZ1000は高剛性ユニットベースにと制振材を組み合わせたシリンダーで、キレのある重低音を実現しています。

ブラス(真鍮)製制振シリンダー
(HA-SZ2000)

OFC線の採用やその他のこだわりの数々

OFCとはOxygen-Free Copperの略で無酸素銅のこと。一般的に酸化物を含まない99.95%以上の高純度銅を指します。不純物が少ないため電気伝導率が高く、解像度の高い切れのよい音を実現できます。プレミアムモデルのHA-SZ2000では、銅よりもさらに電気伝導率の高い銀でコーティングした銀コートOFC線を採用し、重低音から中高音まで、全帯域で鮮やかな解像度を実現しています。
さらに、一般的にドライバ-ユニットの磁気回路は鉄素材を使用していますが、HA-SZ2000では鉄素材に熱処理を加え、内部の歪みを低減させています。また、HA-SZ2000、HA-SZ1000ともに低音ユニットと中高音ユニットに磁気エネルギー360kJ/m3の強力なネオジウムマグネットを使用。再生周波数帯域/出力レベルは、HA-SZ2000が4~35,000Hz/108dB/1mW、HA-SZ1000が5~33,000Hz/107dB。インピーダンスはともに16Ωで、最大許容入力は1,500mWを実現。原音により近づくため、細かなところまで配慮して設計しています。

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