アーティストが曲に込めた想いを、そのまま届けたい。基本理念「原音探究」を形にするべく、ビクタースタジオのエンジニアと連携し、ウッドコーンの最終チューニングを実現しました。
アーティストの歌声や演奏に直接触れ、録音するスタジオエンジニアにとっても、音を忠実に再現しリスナーに届けられる家庭用オーディオの誕生は悲願でした。
木の響きの可能性を引き出す技術者と、音を知り尽くした録音エンジニア。両者が厳しいチューニングを繰り返し、ウッドコーンの真価を極限まで高めました。
現在、ビクタースタジオでは、マスター音源の最終確認用モニターとして、すべてのコントロールルームでウッドコーンを使用しています。

木の木目は共振を低減するため、自然で滑らかな音響特性を実現します。スピーカーの振動板素材としてまさに理想的な、自然からの贈り物でした。
さらに木の振動板の実力をさらに引き出すため、振動板以外の要素にもこだわりました。
例えば、キャビネット内には楽器のように響棒・響板を配置し、その素材も徹底検証しています。
吸音材やボビンにも木を使い音の解像度と質感を向上させました。
また、音に悪影響を与えるアンプの振動を抑制するため、3点支持型インシュレーターや真鍮ニッケルメッキ・銅メッキ等の素材の異なるビス／ワッシャーを使用するなど、細やかな設計・素材選定を実施。
高音質を実現するためのノウハウを注いでいます。

伝搬速度や減衰特性に優れるカバ材から、独自の薄膜加工技術により50umという繊細かつ極薄のウッドシートの削り出しに成功しました。
薄く削り出したウッドシートをカーボンコーティングしたPETに組み合わせた当社独自のウッドドームカーボン振動板は、伝搬速度と減衰特性を向上させました。
振動板外周部には適度なしなやかさを、振動板中央のドーム部分にはより高い強度を持たせ、美しい音色を奏でます。

理想的な振動板の素材とは、音の伝わりが速く、余分な振動を吸収するものです。
独自技術の「ウッドドームカーボン振動板」は、音の伝播速度が速く、振動の減衰特性に優れる無垢の木材（樺：カバ）と、カーボンコーティングした適度な内部損失を持つPETを組み合わせることで、速い音速と大きな内部損失を獲得し、より澄んだ音色を実現しています。

●音速：速い程、細かい音まで再現できる
●内部損失：大きい程、余計な残響が残らない澄んだ音になる