PAPERSKY × JVC
映像でたどる日本の古道「西伊豆古道」編

Vol.4 西伊豆古道編 (静岡)

江戸時代末期から炭焼きに用いられていた古い生活道を辿る旅。

photography: Yasuyuki Takagi
text: Ryoko Kuraishi

01. 西伊豆古道

かつて西伊豆の山中につけられていた古い生活道で、江戸時代末期から明治時代にかけて山中で盛んだった炭焼きに用いられていた。戦後、インフラの整備や化石燃料への転換といった社会情勢の移り変わりとともに忘れ去られてしまった道を、「西伊豆古道再生プロジェクト」を立ち上げた松本潤一郎さんが整備。全7本、総距離40kmのトレイルとして開通させた。現在はマウンテンバイクのフィールドとして、また、散策のためのトレイルとして「YAMABUSHI TRAIL TOUR」のガイドツアーで利用されている。トレイルには江戸時代の馬頭観音や石の道標など、当時の賑わいを忍ばせる痕跡があちこちに残されている。

02. 古道再生

古道の上の倒木や道に生えた木はチェーンソーで伐採し、崩落の土砂や腐葉土で道が埋まった箇所は鍬でどける。こうした整備作業で出た間伐材は建材として活用したり、薪として隣町のカツオ節加工会社に供給したり、地元の木工作家に提供するなどしており、道の整備事業が西伊豆の特産品やものづくりに寄与している。古道の再生・整備に新しい価値を加えるべく、道や里山にまつわる西伊豆の魅力を「YAMABUSHI TRAIL」より発信している。

03. 鰹節

伊豆近海では良質のカツオが水揚げされ、また西伊豆の気候風土もカツオ節作りにマッチしていたことから、西伊豆はカツオ節の一大産地として栄えた。味わいを良くするため3度のカビ付けを行う本枯れ節は田子の職人によって確立されたものだ。この伊豆節の生産に欠かせなかったのが、地元の山から切り出した雑木の薪。田子町の老舗生産者、カネサ鰹節商店では、こうした薪を使った昔ながらの手火山式焙乾製法で製造を続けている。

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