PAPERSKY × JVC
映像でたどる日本の古道「塩の道編」編

Vol.5 塩の道編 (長野)

古くから沿岸で採取した塩を内陸に運んでいた「塩の道」。糸魚川と松本を結ぶおよそ120kmの「北塩」ルート、ボッカや牛方の独自文化が発展した険しい山道、北アルプスの絶景を辿る旅。

photography: Yasuyuki Takagi
text: Ryoko Kuraishi

01. 北塩ルート

岩塩という資源がなく、海水からしか塩を作れない日本では、古くから沿岸で採取した塩を内陸に運んでいた。「塩の道」と名付けられた運搬ルートは日本各地に張り巡らされ、やがて海産物と山の幸を結ぶ暮らしの道として整備されるように。日本海沿岸の町、糸魚川と内陸の松本を結ぶ、およそ120kmの「北塩」ルートもそうした古道の一つで、上杉謙信が武田信玄に塩を送ったという「義塩」の故事はここで誕生したとされる。小谷までの前半は往時の面影を色濃く残す険しい山道と、ボッカや牛方という運搬人にまつわる独自の文化が、白馬から先は北アルプスの絶景を楽しめる平らな道と、エリアごとに異なる個性、風景が楽しめるのも「北塩」の特徴だ。

02. 集落再生

長野県小谷村にある大網集落は、かつて塩の道の宿場町として栄えた山間の集落だ。平成に入って過疎化が進んでいた大網に、集落再生の動きが起きている。担い手は、集落内にある冒険教育機関、アウトワード・バウンド協会長野校のOB・OGたち。この地に移住して農業や山仕事、子育てを行いながら、「くらして」という活動をスタートさせた。大網に息づく暮らしの知恵や自然に寄り添った生業、郷土料理や祭などの文化を後世に伝えていく。

03. そば

昼夜の寒暖差が大きく、水はけの良い山間地が栽培に適しているとされるそば。信州そばといえば戸隠そばなどが有名だが、冷涼な空気、清らかな北アルプスの雪解け水、澄んだ空気に恵まれた白馬村、小谷村一帯もそば処の一つだ。蕎麦屋も多く、それぞれが個性的なそばを提供している。例えばこちらの蕎麦屋は100パーセント白馬産の、石臼で挽いた地粉を使った極細の二八そばが自慢。同じそば粉を使った白馬ガレットも提供している。

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