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パソコンの廃棄・譲渡時におけるハードディスク上のデータ消去に関するご注意(2002/11/25)

最近、パソコンは、オフィスや家庭などで、いろいろな用途に使われるようになってきております。これらのパソコンの中のハードディスクという記憶装置に、お客様の重要なデータが記録されています。

従いまして、そのパソコンを譲渡あるいは廃棄するときには、これらの重要なデータ内容を消去するということが必要となります。

しかし、このハードディスク内に書き込まれたデータを消去するというのは、それほど簡単ではありません。

「データを消去する」という場合、一般に

●データを「ゴミ箱」に捨てる
●「削除」操作を行う
●「ゴミ箱を空にする」コマンドを使って消す
●ソフトで初期化(フォーマット)する
●ハードディスクドライブ内蔵のリカバリーを使い、工場出荷状態に戻す。


などの作業をすることになりますが、これらはハードディスク内に記録されたデータのファイル管理情報が変更されるだけで、実際はデータは見えなくなっているという状態です。

一見消去されたように見えますが、Windows(R)などのOSのもとでそれらのデータを呼び出す処理が出来なくなっただけで、本来のデータは残っているという状態になります。

 従いまして、特殊なデータ回復のソフトウェアを利用すれば、これらのデータを読みとることが可能な場合があります。このため、悪意のある人により、このパソコンのハードディスク内の重要なデータが読みとられ、予期しない用途に利用される恐れがあります。

 パソコンユーザーが、廃棄・譲渡等を行う際に、ハードディスク上の重要なデータが流出するというトラブルを回避するためには、ハードディスクに記録された全データを、ユーザーの責任において消去することが非常に重要となります。消去するためには、専用ソフトウェアあるいはサービス(共に有償)を利用するか、ハードディスク上のデータを金槌や強磁気により物理的・磁気的に破壊して、読めなくすることを推奨します。

 なお、ハードディスク上のソフトウェア(OS、アプリケーションソフトなど)を削除することなくパソコンを譲渡すると、ソフトウェアライセンス使用許諾契約に抵触する場合があるため、十分な確認を行う必要があります。


技術的な参考資料

色々なオペレーティング・システムがありますが、基本的に考え方は同じなので、ここではWindows(R)を例として説明いたします。

パソコンのHDDに記録されたデータは、Windows(R)95 operating system、Windows(R)98 operating system/Windows(R)98SE operating system、Windows(R)Me operating system系列のFAT(File Allocation Table)形式やWindows(R) NToperating system、Windows(R)2000 operating system、Windows(R)XP operating system系列で採用されたファイル・システムNTFS(NT File System)方式のMFT(Master File Table)形式などのファイル管理領域と、実データ領域に分けられて格納されています。

 ファイル管理領域には実データのファイル名、ディスクの何処に記録されているのかの位置情報、ディレクトリー名、作成日等の情報が格納されています。Windows(R)の操作でファイルをゴミ箱に捨てたり削除しても、ファイル管理領域の情報が一部変更されるだけで、実データはそのまま残っています。HDDをフォーマットしても、ファイル管理領域の情報が消去されるだけで実データ領域は、そのまま残っている事には変わりありません。FDISK等でパーティションを変更してもHDDのパーティション管理情報が変更されるだけで、実データはそのまま残っています。このファイルシステムを本に例えると、ファイル管理領域が目次にあたり、実データ領域が本文に相当します。ただ本の目次を破り捨てても、本文の本体は何ら変更なくそのまま残っていると同じです。このデータの消去を確実にするために、HDDの仕組み、未然防止等対応策についてFAT形式を例示し、説明します。


1.ハードディスクのフォーマットとは?
フォーマットでは、FATにあるファイル管理領域の情報が消去されて、Windows(R)からは情報の格納位置が不明となり、データ領域が見えなくなります。

2.データ復元の仕組み
残っているFAT領域以外のデータ領域に残ったデータ領域管理情報を解析して、ファイル管理領域情報を推測することができます。必ずしも100%完全に復元できるとは限りませんが、このようにしてデータ(ファイル)を復元するソフトウェアが市販されています。
 これらのソフトは「誤って消去したHDDを救済する」という健全な思想から開発されています。本に例えると、目次はなくても本文の章や節の区切りと頁番号で目次は再現できます。


3.復元防止について

専用HDDデータ消去ソフト(有償)で、ディスクの全領域に固定パターン(00,FF等)のデータを書き込むことです。
消去ソフトの特徴
(1)HDD全領域に固定パターンを書き込んで、元あったデータを塗りつぶすため、復元ソフトによるデータ回復は出来な
  い。
(2)HDDにインストールされたOSに依存しないので、OSやファイルが壊れて起動出来なくなっていても、データ消去が
  可能。
(3)消去された事を「ログ情報」として記録に残せる。


4.更に信頼できるデータ消去方法

基本的にはHDDデータ消去プログラムで1回固定データによる塗潰し消去を行えば十分ですが、2回消去を行えば一般的に完全といえます。しかし、データ消去ソフトには各種の軍関連の規格がありますように、データ読出し技術とデータ消去技術が今後とも表裏一体の進歩を繰り返すと思われます。


「Windows(R) は米国 Microsoft(R) Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。」