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国際医療福祉大学医学部 様

国際医療福祉大学医学部では国内外で活躍できる医師を養成する為、1、2年次は大多数の科目で英語の授業を実施したり、6年次には4週間以上の海外臨床実習を必修化にしています。この度、同大学医学部に於いて当社病理用カラー液晶モニターJD-C240が導入されました。

病理医はがんなどの病気の確定診断を行う重要な役割を担っていますが、病理専門医の慢性的な不足と高齢化が課題となっています。従来、顕微鏡で観察していたガラス標本をデジタル画像化してモニターで観察するWSI(※1)システムが病理医不足と診断効率、精度向上に繋がることが期待されています。

デジタル病理診断ではモニターの性能が標本画質に大きな影響を与えます。HE染色のパステルカラーは非常に敏感で微妙な色再現性が必要であり、一般汎用PCモニターやTVの画質はバラツキ(個体差)や意図的な絵作りの影響が大きく病理診断用として画質、安定性に問題があります。

また、長時間の注視作業でも疲れないことが求められるので、画面サイズは適度な視距離で疲れない視野範囲が必要です。PC性能とのマッチングも操作性に影響するのでモニターの解像度は適切に選択しなければなりません。その為、性能基準を定め、精度管理されたモニターを使用することが極めて重要です。

一般的なPCモニターでは特性が揃っておらず、同一機種ですら複数台で同じ画像を見ていても色や輝度、階調特性が異なる場合があり、遠隔地での画像共有では注意が必要です。医療用途では、場所、時間、接続する装置に関わらず、常に同じ画像が表示される環境が必須であり、医療用途の管理されたモニターの使用が推奨されます。

(※1)WSI (Whole Slide Imaging): 従来顕微鏡で観察していた病理標本のスライドガラス(プレパラート)の標本全体を撮影しデジタル画像にする装置のこと。

  • PCモニターと組み合わせたマルチモニターシステム環境を構築
  • デジタル病理画像表示用として精度管理が可能な医用モニターJD-C240を使用

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病理用画像表示モニター JD-C240

  • 一般の情報機器より厳しい北米及び欧州の医用安全規格を取得した病理画像観察用高精細モニター
  • モニターの個体差、バラツキのない色再現を実現した高精度カラーマネジメント機能を搭載
  • 独自のエッジ強調技術により不自然な輪郭補正無く映像の視認性が向上する可変式コントラストエンハンサーを装備
  • 任意に色相、彩度、明度を調整できるカラーエンハンサー機能(7軸補正)
  • WSI用カラーモード(sRGB、AdobeRGB)だけでなく顕微鏡画像観察に最適なMicroscopyモード、放射線画像観察のためのDICOM GSDFモードをプリセット
  • モニター画像を常に適正な状態に補正する精度管理ツールを用意(キャリブレーションキット CAL-015 別売)


本機を導入された医学部教授 森一郎先生に導入の効果を伺いました。
森先生は日本におけるデジタルパソロジーの研究、応用及び普及を目指す日本デジタルパソロジー研究会の会長を務められており、病理診断のデジタル化に尽力されておられます。

Q:病理用モニターJD-C240の画質の印象をお聞かせ下さい。
A:これは2K相当のパネル解像度ですが、横に並べて設置している27”の4Kモニターと比べても解像感が遜色ないことは間違いありません。精度管理が出来、経年変化が少ないのでバーチャルスライドを見るのはこれと決めています。
Q:病理画像のデジタル化に際してモニターに求められる点は何でしょうか。
A:画像表示機器は長期安定性が担保できる精度管理をすることが何よりも肝心です。以前に見た画像の色味が今表示されている画像と同じだったかなど、覚えていられる筈はありません。放射線画像は基本的に精度管理されたモニター2面で見るので違いがすぐ判ります。精度管理が出来ないモニターを長期間使い続けてはいけません。
Q:先生はデジタルパソロジー研究会の会長としてデジタル化に際しての基盤作りに尽力されておられます。
A:日本病理学会ではデジタルパソロジーガイドライン(案)を新たに、またデジタルパソロジー技術基準検討会(日本病理学会からも参加)が作成した「病理診断のためのデジタルパソロジーシステム技術基準」の改訂版(案)を作成しました。これらは2018年度内に正式リリースされる予定です。ガイドラインではデジタルパソロジーによる画像診断に際しては各施設で固定、スキャンしたファイルを使って少なくとも60症例を用いてWSI診断とガラス診断を比較、検証し、安全性を担保するよう推奨しています。これはモニターの診断に慣れる為で、折角WSI診断に慣れたのに、その後に色が変わっては困ってしまいます。このことは顕微鏡で長く診断してきた医師には重要な問題です。
Q:デジタルパソロジーによるモニター診断の利点は何でしょうか。
A:顕微鏡診断では顕微鏡画像を頭に焼き付けてからワープロ画面で診断報告書を書きますが、モニターだとワープロ画面のすぐ横に画像があるので凄く書きやすいのです。特殊染色を何枚も並べて一気に観察できるのもモニター診断のメリットです。また、標本をデジタル化しアーカイブされていれば、過去の標本をすぐに参照できます。医療に関するデータは殆どデジタル化されており、病理画像についてもデジタル化されるのは必然の流れです。電子カルテや、CT/MRI画像と同じように、病理標本がどこからでも見ることができれば、患者にもその画像を提示しながら病状を説明できます。
Q:デジタル標本の標準的な観察環境としては、どのようなモニター構成になるのでしょうか。
A:標本観察はモニター1台では無理なので、望ましいのは、①画像観察用 ②報告書読み書き用 ③電子カルテ用 の3台構成でしょう。画像が付いているのといないのとでは診断が変わってきてしまいます。近年は色々な医用画像を見ることが出来る時代になってきたので、見られるものなら見て診断しないといけません。
Q:デジタル化によって遠隔診断の可能性も拡がっています。
A:国際医療福祉大学はベトナム・ホーチミン市にある国立チョーライ病院と共同で、予防医学という概念をベトナムに根付かせベトナム国民の健康維持に貢献すべく、国立チョーライ病院の隣接地にベトナム初の健診専門施設である「ドック健診センター(HECI)」を開設しました。放射線、内視鏡や婦人科の細胞診について現地の医師が一次診断したものを日本の国際遠隔診断センターでWチェックする体制を敷いています。
Q:今後のご要望について伺います。
A:医用モニターは普遍性が売りなので、経年変化を避ける事がきちんと、かつ簡単にできることが大切です。モニターは経時変化で色味が変わるが、毎日見ていると気がつかない。精度管理は現場としては何となく敷居が高いので、必要なメンテナンスが自分で簡単に出来るようにして欲しいと思います。

ありがとうございました。

(2019年1月 取材)

国際医療福祉大学は1995年に開学した日本初の医療福祉の総合大学です。医療福祉の高度化・専門化に対応できるとともに、それぞれの専門分野で指導者となりうる人材を育成しており、10学部24学科を持ち、大学院まで含めると約9,000人の学生が学ぶ大学となっています。
2020年には成田市畑ケ田地区に国際医療福祉大学成田病院を新設予定。海外の医療機関と接続し病理診断や放射線診断などを実施する国際遠隔診断センター、海外からの感染防止を担う感染症国際研究センター等を設置するなど世界的なハブ病院をめざしています。


国際医療福祉大学 成田キャンパス
https://narita.iuhw.ac.jp/