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全日本空輸株式会社 様

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●客室乗務員訓練用 PTZカメラシステム KY-PZ100他 導入事例 全日本空輸株式会社 様 (東京都大田区 / ANA Blue Base)

PDF版 映像システム

安全・品質・サービスを支える日本最大級の人財育成施設、ANA総合トレーニングセンター『ANA Blue Base』に客室乗務員訓練用「PTZカメラ記録サーバーシステム」を導入

ANA様よりANA総合トレーニングセンターを新設するにあたり、新たなコンセプトの客室乗務員訓練用システムのご相談をいただき「新コンセプトをどれだけ形にできるのか」何度も話し合いを持ちました。ANA様のご要望をまとめると、①訓練生の手元の細かな動きまで鮮明に映る高画質カメラシステム。②インストラクターが移動しながら簡単に操作可能なタブレット端末対応。③自分自身の接客を振り返り接遇力の向上(映像/音声記録サーバー)が実現できる録画機能。これらのご要望に応えるシステムをJVCで開発し、導入に至りました。


導入の背景

「ANA Blue Base」は、経営の基盤である安全をはじめ、オペレーション品質の向上、イノベーション推進、働き方改革、ANAブランドの発信を行う人財育成の拠点で、3万㎡以上の敷地面積と世界最新鋭の訓練設備を有する日本最大級の訓練施設。いままで羽田空港周辺に点在しているANAグループの訓練、教育、研修機能が『ANA Blue Base』へ集約され、この訓練施設内で行われる客室乗務員訓練の内、「B777 モックアップ(実物大模型)」と「客室乗務員訓練教室」での訓練用システムについて開発依頼がありました。

導入の背景① ~ B777 モックアップ(実物大模型) ~

■訓練における映像の活用

訓練用モックアップでは、訓練生が客室乗務員役とお客様役を交替しながら訓練を実施。例えば火災の消火、DOORの操作、接客の様子などをカメラで映し、客席に座っているお客様役の訓練生にも見えるように設置されている前方の大型モニターで確認し学習するシステムです。


【 実現したかったこと 】

◆高精細・低遅延なリアルタイム映像

・従来のシステムは、映像の遅れや暗い場所での著しい画質の低下が見られたので、より高精細、高感度、低遅延でスムーズな映像が求められる。
・これまでカメラ映像がなかった、ラバトリーやコックピットの様子も撮影することで、より精度の高い行動分析に繋げたい。
・手元の細かな動きを今まで以上に鮮明に映すことにより、現場を直接見られないお客様役の訓練生が、客室乗務員役がどのように動いているのか、カメラの映像を通じて確認することで、学習効果向上が期待できる。
・訓練を録画した映像による振り返りができれば、今まで以上に本人の気付きが多くなり、訓練の効果が高まる。


◆簡単で優れた操作性

・インストラクターは訓練生を見ながらカメラ操作も行わなければならないので、優れた操作性が不可欠。訓練シミュレーションで4名前後の訓練生が同時に動いている中から重要な場面をピックアップしてモニターに映す必要があり、直感的で誰でも簡単に操作できることが必須。
・インストラクターの移動が制限されるモックアップ客室内でも、タブレット端末で簡単に操作できることが重要。


導入の背景② ~ 客室乗務員訓練教室(プラクティスルーム) ~

■客室乗務員訓練教室での活用

●客室訓練部では、ANAの最新ビジネスクラスシート「THE Room」を模したプラクティスルームをはじめ、合計9教室でPTZカメラ記録サーバーシステムを活用。各教場の訓練で客室乗務員のスキル向上を図っています。
●プラクティスルームでは、客室センターで選出された精鋭客室乗務員が接遇スキルを争う「“OMOTENASHIの達人” コンテスト」を実施。このコンテストは、客室センター全体が一体となって盛り上げるANAの一大イベントで、他の教室とは異なる、より高画質・高音質のシステムが必要でした。


【 実現したかったこと 】

◆高画質プロジェクター&大型スクリーンの採用

・プラクティスルームは、ドア付きのワイドシートを前後向かい合わせに配置しており、どの席に座ってもスクリーンの映像が見える必要がある。メインとなる前後のスクリーンの他、移動可能なプロジェクターとスクリーンを配備することで、どの席からでも見える配置を考慮する。

◆高精細・高倍率ズームのPTZカメラと記録サーバーシステム

・モックアップでのPTZカメラシステムと基本同じだが、広いプラクティスルームでは高精細、高倍率ズームのPTZカメラが求められる。また、訓練生が振り返り確認できる録画機能付きのシステムが必須とされる。

◆最適な操作画面のレイアウト

・タッチモニターの画面に各カメラの映像を分割画面で表示し、タッチ操作でカメラの選択や拡大切替が可能。また、パソコンから出力された教材や映像資料などの切替も簡単にできる画面レイアウトの開発。
・タブレット端末にも操作卓同様の画面レイアウトを配置し、広い教室のどこからでも操作可能なシステムが必要。


導入のポイント

■採用に至った経緯や決め手について

1.高精細・低遅延なリアルタイム映像

通常より暗いモックアップ内で動き回る訓練生の映像がとても明るく、高画質で映像の遅延も無くスムーズであったこと。


2.画面操作性

当社が求める操作画面の実現。直感的にスクリーンをタッチして画面を切り替えることができる点。訓練生を見ながらでも操作が簡単。カメラのポジションを思い通りに変えることができ、保存も可能。また、ボタン一つで予め保存したポジションにカメラアングルを瞬時に変えられること。更に、録画をしながら、適切な行動をしている場合は「Good」。改善が必要な場面では「Bad」マークを付け、後から振り返り確認ができるタギング機能を搭載。

※タギング機能 : 注目シーンなどにイベントマーキング(タグ付け)することで、後から見直したいシーンを効果的に検索し確認できる機能。

3.導入コスト

当社が求める仕様に合致したシステムを予算内で構築できた。


4.サポート力が最終的な決め手に

JVCケンウッドグループはフルフライトシミュレーター(FFS)やその他訓練施設でも長年のサポート実績有り。過去不具合発生時に非常時においても迅速、スムーズな対応を頂いており、当システムにおいても同様の対応が期待できると判断し導入を決定。

導入の効果

●映像がスムーズで画質が鮮明なので、遠くに座っていても実習中の様子が明瞭に確認することができました。
●「映像/音声記録サーバー」により訓練生が振り返り確認でき、また、「Good」「Bad」の訓練中のポイントになる場面をタギングできる機能を開発していただき、学習効果が上がりました。
●インストラクターが移動しながらでも簡単に操作ができ好評です。
●「“OMOTENASHIの達人”コンテスト」では5面の100インチスクリーンにより、大きな会場でも見やすい環境が作れました。
●プラクティスルームのオーディオシステムは想像以上に音質が良くコンテストを盛り上げる要素の一つになりました。



私たちの様々な要望を、JVCケンウッドグループのご担当者の方々が熱意をもって実現してくださいました。導入時のマニュアルもキメ細かく丁寧に作成してくださり、ユーザーの立場に立ったご対応をしていただけました。これからは、国内外の拠点から参加可能なリモート訓練の実現に向け取り組みたいと思いますので、引続きJVCケンウッドの皆さんにご相談したいと思います。

USER'S PROFILE

全日本空輸株式会社

ANAは、将来の航空需要の増加に備え、世界最新鋭の設備を有する訓練施設ANA総合トレーニングセンター『ANA Blue Base』を新設し、航空運送事業の基盤である安全性を高めるとともに、品質・サービスの源泉となる「人」への投資を積極的に進めています。『ANA Blue Base』には、ANAグループの出発点、ANAグループ社員の原点であり、社員を支える基盤になるという思いが込められています。新施設での訓練を通じて、経営の基盤である安全の堅持に取り組み、さらなるサービス・品質の向上に努め、世界のお客様に安全で快適な空の旅を提供するエアライングループを目指します。


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※記載の法人・団体名・組織名・所属・肩書きなどは、すべて取材時点でのものです。