GY-HM650/600 徹底解説


Chapter-5

『ダブルSDスロット』

 

 コーデックの解説でも触れたとおり、イベント撮影だけでなくENGのユーザーからも圧倒的に要望の多い「バックアップ記録」や「異なるビットレート・異なるファイルフォーマットの同時記録」に対応するため、2つのコーデックを同時処理し、2基のSDカードスロットへファイル記録を可能としています。
ダブルSDスロットへの同時記録は、多様なシチュエーションに対応できます。
基本は、「シリーズ記録」、「デュアル記録」、そして「バックアップ記録」である。
GY-HM600/GY-HM650の「システムメニュー」→「スロットモード」を選択すると、3つのモードが現れます。

『シリーズ』記録(工場出荷時)


記録設定、シリーズ

 2つのスロットを連続して動作させるモード。記録中にスロットAのカードがデータフルになると、スロットBのカードへ記録をバトンタッチするイメージ。A→B→A→・・・と、SDカードを差し替えながら長時間記録にも対応できます。どのモードの時も同じだが、カードの空き容量とライトプロテクト解除は必ず事前にチェックすることをおすすめします。

『デュアル』記録

DUAL A/B赤

 2つのスロットを同時に動作させるモード。Recトリガーに連動して、両スロットのカードに記録が開始されるイメージ。両スロットに記録されたクリップは同じものとなり、本機のみで同一内容のクリップを2つ同時に作成することが可能となります。撮影中にデュアルRecで動作しているかどうかを確認するには、ビューファー上部「DUAL」の表示と、SDカードアイコンが、A/Bとも「赤色点灯」(記録停止時は白色)していることをチェックします。

 撮影中記録残量が異なるカードがそれぞれのスロットへ挿入されており、デュアルRecモードで記録中、片方のカード容量がいっぱいになると、両スロットとも自動的に記録を停止します。記録停止後、残量のあるカードへは自動的に記録が開始されるので、編集ソフトウェアのタイムラインに並べると途切れなく繋がるようになっています。デュアルRecモードで記録する場合、同じ容量のブランクメディアを使用することをおすすめします。GY-HM650では、デュアル記録の機能を利用し、撮影時にHDとProxy(Webモード)で同時記録し、収録後にProxyのデータを局やプロダクションのサーバーへ送ればよいわけです。ネットワーク対応については別のChapterで後述します。

『バックアップ』記録

バックアップ設定画面

 Recトリガーとは独立してスロットBの記録開始停止を制御するモード。撮影開始からスロットBは常時記録状態(バックアップ記録)にしておき、スロットAはRecトリガーで必要なシーンだけ記録・停止を繰り返して撮影することによって、記録停止中に大事なシーンを撮り逃す心配がなくなります。 バックアップ記録を開始するには、「メインメニュー」→「システム」→「スロットモード」→「バックアップ記録」項目で、“記録”を選択するか、“バックアップトリガー”を割り当てたユーザーボタンで行なえます。撮影中にスロットBがバックアップRecで動作しているかを確認するには、ビューファー上部「BACKUP」の表示と、スロットBのSDカードアイコンが、「赤色点灯」(記録停止時は白色)していることをチェックします。


バックアップ記録中画面例

バックアップRecモードで記録する場合、スロットBには大容量メディアを使用することをおすすめします。

※スロットAの記録フォーマットがAVCHDの場合、バックアップ記録はできません。