ユーザーズボイス


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株式会社ガイプロモーション 代表取締役

『照山 明 様』

プロフィール


 大学在学中、映像と演劇の融合を目指し発足した「ガイプロジェクト」に参加、以降、舞台映像、舞台撮影を中心に活動。一時ポスプロに在籍するが、1年後に退社しフリーに転身。2006年に株式会社ガイプロジェクトを設立。舞台制作と平行して企業VPを中心に映像制作を請け負う。2010年に社名変更。現在、株式会社ガイプロモーションの代表として多種の映像制作を請け負う。

※「株式会社ガイプロモーション」 http://www.gaipromotion.co.jp//

事業内容

 弊社で現在制作している約7割が企業VPや商品PVです。あとは雑誌付録のDVDコンテンツ、各種イベントの記録等です。弊社では企画提案から編集、撮影まで一貫して行っていますが、撮影機材を自社で多数所有しているため、同業者から撮影だけの業務を請け負う事も多いです。撮影に力を入れている理由は、映像編集に直結するような素材を自社で撮影しておきたいからです。映像編集は素材が命ですが、「美しい、上手に撮影出来ている」といった理由だけではいい素材とは言えません。編集が頭に入っている者が、直接撮影する事で、「使える素材」が手に入りやすくなります。そういう意味で弊社では撮影業務にも力を注いでいます。

GY-HM650導入のポイント

 撮影業務に力を入れていると申しましたが、弊社ではENG系のショルダー型のカメラは所有していません。理由はいろいろありますが、簡単に言うと弊社が取り扱っている案件であれば業務用ハンドヘルド型カメラで十分だからです。たとえハンドヘルドであっても業務用として一定の機能や操作性が備わっていれば、あとは使い方次第かと思います。要はそのカメラが扱うものにとって馴染むかどうか、言い過ぎかもしれませんが、体の一部になるかどうかです。そういう意味ではSONYのHVR-Z5Jというカメラは、弊社にとって業務用ハンドヘルド型の最終形とも言えるもので、とても体に馴染んでおり、取材系ではほとんどの現場をこのカメラでまかなっていました。
  時は流れ、完全にファイルベース化になり、「HDVもそろそろ引退かな?それじゃあ次は何のカメラにしよう?」という段階でJVCからとんでもないハンドヘルドカメラが出る、という情報が入ってきました。23倍のフジノンレンズ搭載というのが、まず欲しくなったキッカケですが、知れば知るほど弊社の業務にマッチしたカメラであると分かりました。そこでメーカーからHM650を借りて実際の現場で使わせていただきました。操作性、記録面などZ5Jで不満と思っていた部分がうまくカバーされていて、これであればJVCのカメラに移行してもいいと思いました。違うメーカーに鞍替えするのはカメラマンにとっては勇気の入る事です。しかし現場で使ってみてZ5Jに馴染んだ体でHM650にすんなり移行できたので、そんな不安もすぐに解消されました。
 また導入の決め手となったのが、「進化するカメラ」という点です。我々含め、ユーザーの声をメーカー側が積極的に受け入れてくれ、ファームウェアのアップデートという形でカメラ自体の改善、機能追加をはかってくれたのです。もちろん現在進行形ですし、「購入後も今後が楽しみになる」というビデオカメラは実に初めてです。

GY-HM650インプレッション

 細かいレポートは弊社サイト及びFacebook等で紹介していますが、とにかく、現場で使いやすいカメラ、という印象です。Z5Jの操作性からはそう逸脱しておらず、さらに細かい部分に磨きかかったといった印象です。フジノン23倍ズームレンズは、概ね期待通りのフィーリングでしたし、手動でもサーボでも非常に精度の高いズーミングが出来ています。最初はZ5Jに比べてサーボの追随が遅い印象もありましたが、実際の現場で使っている限りは、ほとんど影響ありませんでした。ピントリングはZ5Jに比べ面積が広く、ENGレンズのようにレンズ先方向に盛り上がっているので指が止まりやすく、とても操作しやすいです。このあたりの操作性はENGのショルダーカメラを経験してきた方にはありがたいと思います。
 また、弊社はMac環境なので、やはりmovで撮影できるのは助かります。その中でも、mov形式のMPEG-2、35Mbpeが弊社のフローには一番マッチします。このフォーマットですと、扱いがHDVとそれほど変わらず、画質が良くなった上に編集ソフト上のレスポンスのストレスがありません(現在、メインの編集ソフトはPremierePro CS6)。また収録するクリップ名をあらかじめ設定できるのもアーカイブする上で役立っています。同カメラでも収録可能なAVCHD形式は汎用性があり便利なのですが、どうしても00000.mtsから始まる仕様が弊社のフローにはマッチしませんでした。また、弊社はすでにPremiereProに移行してしまいましたが、FinalCutPro(特にFCP7)を使っている方々はmovのMPEG-2 35Mbpsはとても魅力的なフォーマットだと思います。ProRes等に変換する事なくネイティブで扱えますし、動作もHDV並です。