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第2回対談 スポーツコーチングカメラシステム「タギングとは…」

コーチングの原点は❝気付き❞から

松尾 :
ところで、『こういった映像が欲しい』というリクエストが、コーチや選手から言われることが増えてきた、とお聞きしたのですが?
吾郷:
コーチから直接っていうのはあまりありません。むしろ選手からこういうふうなのが欲しいって言われます。『次は横から撮ってください』とか、具体的にありますね。
関本:
キャンプ中、練習グラウンドから帰るまでの交通手段はバスですが、宿舎までだいたい30分ほど掛かります。もうこの間に選手たちは映像を見ていますね。最初は親切心から始めましたが、それがいつのまにか当たり前になって(笑)。プッシュ型の運用にしたことで、撮ってある映像の使われない率がすごく減りましたね。
吾郷:
そうですね。その前の年までは、『明日の朝までに用意しておくよ』だったのに比べたら、大変な進歩ですね。
関本:
渡すまでのスピードが求められるのって、データより映像です。だからタグを打ちながら映像を撮っておくことはスピードアップのためにもとても重要です。
松尾:
ハイスピードで撮ることはありますか。
関本:
現在、映像利用をゲーム分析目的だけでなく、育成強化目的へと段階を進めています。その中で練習やリハビリに、ハイスピード映像を利用していきたいと考えています。
松尾:
選手の皆さんが自分の映像見る機会が増えて、大分変わりましたか?
吾郷:
今まではどちらかというと与えられて、まあ見ておくかみたいな感じが多かったのかもしれないですけど。主体的に見る選手が多くなった。秋キャンプで若手選手の守備の像を撮ってあげたのですが、あまり見たことないんですよね、みんな自分たちの守備の映像を。だからまず映像を見るっていう環境を、どれだけ与えられるかが重要。要望に答えるのが、ある意味僕らの仕事でもあるので、やっております。
タグを使って見たいシーンをすぐにフィードバック
藤井:
そういった映像も「タグ」で整理できていれば、すぐにリクエストに答えられるっていうのもありますよね。
澤田:
プロの選手でも自分を見て感じるのだから、子供とか、若い選手が自分の映像見るっていうのは、結構普遍的なことになっていくだろうなと思っています。
吾郷:
アマチュアの選手って、自分の映像見る機会が少ないから、あんまり自分を見てないような気がする。
関本:
そういう『恵まれた環境』はなかなか無い。
吾郷:
だからこそ逆に見られる環境があったら絶対見ると思うんです。中には、恥ずかしくて見られないっていう人も居るようですが。
吾郷:
高校野球とか、3年間自分の映像見ない選手もいます。これだけ携帯が普及していても、自分のフォームとか見たことない。例えばテレビ放送でたまたまやってくれて、見て、幻滅するとか。
澤田:
よく藤井さんと話す時に、タギングを文化にしましょうっていうお話をしています。タギングをいかにスポーツ界に浸透できるかは、多分僕らの腕次第だと思います。この取り組みが先陣となって、一気に波及していけばなあという思いです。
吾郷:
スポーツコーチングでタグを用意してあげるっていうのはいいですよね。必要なタグを呼びだして、あとはボタン押すだけで再生っていうのはできると思うので。もっと気軽に、じゃあこれも、あれもできるんじゃないって言われたら、ちょっと成功じゃないですか。
澤田:
U-12世代のサッカーチームでずっとサッカー教えていて、映像を使ったコーチングが出来ないかなっていうのがあって。で、どうにもできないなと思いながら、藤井さんに会ったのが4、5年前。その時にダートフィッシュ・ソフトウェアに初めて触れて、タギングを実際のものとして触れてなかったら、今この発想になってない。その後にJVCケンウッドさんとの出会いがあって、カメラを作れるタイミングが来なかったら、今日を迎えられていなかったと思うんです。
福岡ソフトバンクホークス株式会社 吾郷 伸之
松尾:
最後に今後の映像活用についてお聞かせください。
吾郷:
今まではスコアラーが2軍3軍と絡んでという取り組みがほとんど皆無だったので、技術力向上を目的に2軍3軍の選手の映像を撮って、レベルアップ、スキルアップさせるための手助けを、このカメラを使いながらやっていけたらいいなとは思っています。トップレベルの選手たちだけでなくて、まだレベル的には低いけど、そういう選手の技術向上のためにはやっぱり、彼ら自身の映像を見せるというプロセスは絶対大事になってくると思うので。そういうことをやっていきたいと思っています。
澤田:
タギングして、映像を整理して、いかに早く選手自身に見せられるかっていうところは、少子化が進んで行く中で、少ない人数でいかに効率良く全員の能力上げるかっていうところに貢献できる数少ない技術の一つだと思っています。タギングした映像活用のポテンシャルは大きいと思っているので、是非根付かせたいなと思っています。
藤井:
スポーツコーチ用のカメラってこれが初めてだと思うので。このシリーズをどんどん発展させていってもらいたいですね。それぞれのそのフィールドの中でタギング映像が浸透して、これなんか成功したねっていうのが、一つでも作れればなぁと思っています。
松尾:
今日お話を伺った中で、タギングでの情報の共有、映像の共有っていうのがすごく有効だということが非常によく分かりました。我々もこのカメラを広めていく上で、このタギングをうまく使って、多くの方々にスポーツコーチングカメラを活用して頂きたいと思っています。
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