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音楽のスペシャリスト3人が語るウッドコーンの魅力

音楽のスペシャリスト3人が語るウッドコーンの魅力

スピーカーの振動板に木材を使用し、音楽CDの制作現場そのままの「原音」再生を追究し続けてきたウッドコーンオーディオシステム。それぞれの現場でウッドコーンに魅せられたスペシャリスト達の熱い対談をお届けします。

PROFILE

今村
ウッドコーンスピーカー は2003年に発売を開始して、今年で10年になります。最初はレンジ感も少なくなかなか思った通りの音が出せなかったのですが、少しずつ技術を積み重ねて今の形にしていきました。まずはスピーカーは楽器でありたい、という強い思いから開発がスタートしています。ピアノやヴァイオリンなどの楽器も木製ですよね。この技術を生かせば、小さいスピーカーでも大きな世界が開けるのではないかと考えました。

今村さんが設計する中で、一番重視しているものはなんですか?

今村
最近は特に演奏者の雰囲気や心意気が伝わってくるように出したいと考えています。アーティストがそこで演奏しているかのような音が出せれば。


高田
それにはやはりスピーカーの解像力が重要になってきます。ウッドコーンはこのクラスのスピーカーの中では、しっかりと解像力があり、音場表現も出来ていると思います。特に音が消える瞬間や、音が重なった音響空間をきれいに聴かせる力があります。


今村
振動板の木目のところには繊維がありますが、その方向によって音の伝搬速度が変わってきます。ウッドコーンは上下方向に繊維を配置していますが、上下は速度が速く、横方向は遅くなります。すると“横方向の音場が狭くなるな”と思いましたので、EX-AR9用の小型のフルレンジスピーカーには十字架みたいな小さな木の羽をつけて、部分的に伝搬速度を上げています。

  
これも長年の技術の積み重ねによるもので、これによって音場が、がーんと広がりましたね。それとウッドコーンスピーカーは当初単体でも販売していましたが、現在のようにシステム商品になってその特徴が一貫して出せるようになりました。

今、ウッドコーンスピーカーは家庭用だけでなく音楽制作の現場でも良く使われています。
そうなった経緯をおしえていただけますか?

高田
普段レコーディグするときは、エンジニアの方はニアフィールドモニターを持ってくることが多いんです。しかし、それで音楽を制作したとしても、お客様はそんな環境では聴けません。そのため長い間、民生機で試聴できる良いスピーカーはないかと様々なメーカーの機材で試してきました。たまたま、まだ試作段階のウッドコーンスピーカーを聴いて、“これは今まで聴いた事のない音がする”と思ったのがきっかけです。

今村
その後、ビクタースタジオの様々なエンジニアの方がウッドコーンで聴いて、いろいろな意見を出してくれました。とにかく多くの意見が出たのでひとつの方向性を決めるのは本当に大変でした。ようやく安定したところで、まずはビクターのスタジオに入れました。

高田
スタジオにウッドコーンを導入して最初に気付いて気にいてくれたのはミュージシャンの方で、「ちょっとこっちのスピーカーで聴かせてくれない?」ということがとても多かっんです。また、ビクタースタジオには外部のエンジニアの方も来られるので、そういう方にも使っていただいたところとても評判が良く、クチコミでよそのスタジオにもウッドコーンが置かれるようになりました。

  
僕自身としてもウッドコーンで確認して“良い”と思える音ならば、他のスピーカーで聴いても音が崩れたりしないと思っています。このようなバランスの良さが、多くのスタジオマンに評価されたのだと思います。

高田の録音による苫米地さんのニューアルバム「TOMA Ballads3」はレコーディグ・ミキシング・マスタリングの全てに
おいて、一貫してウッドコーンが用いられているんですよね。苫米地さんはご自身もウッドコーンを愛用されているとか。

苫米地
そうです。自宅でもウッドコーンのシステムで聴いていますが、もう今ではこれでないと物足りなくてだめだなあ、というようになってきてしまいました。音がスピーカーから飛び出してくるような印象でとても気に入っていますよ。

高田
今回苫米地さんのアルバムのサックス、ピアノのレコーディグとミックスを担当しました。普通はある程度音が固まった段階でウッドコーンで確認するのですが、今回はミックスの段階でもウッドコーンで再生し、何度も確認して進めていったんです。

高田さんのレコーディングへのこだわりを教えて下さい。
高田
レコーディグエンジニアにはいろんなタイプがあると思いますが、僕の場合はピアノならピアノ、サックスならサックスで、自分の好きな音というのが明確にあります。それが最初に軸になります。それに加えて、プロのミュージシャンの方は必ずご自身の独特の音色感を持っています。その音色を自分がイメージした音に付加してサウンドを伝えていく仕事だと思っているんです。今回も「苫米地義久の音」を一音たりとも逃さないぞ、というつもりで収録しました。苫米地さん自身も高音質な録音に非常にこだわりがあります。サックスは普通モノラルマイクで録るのですが、今回は特別にステレオで録音しました。2つのマイクの距離感によって、その音像がちょっと太くなっています。太いけれどもクリアな音を目指してみました。先ほど言ったように、録音の早い段階からウッドコーンオーディオシステムで聴いて確認をしながら進めていますので、自宅でもウッドコーンスピーカーで聴いていただく事で、僕たちが作りたかった音をありのままに聴くことが出来ます。それを是非楽しんでいただきたいと思います。

今村
コンクリートやプラスチックにはない木独特の魅力として、長い年月が経つとより強度が増す、というものがあります。例えば法隆寺の柱ですが、1400年経ったものとまっさらな新しい柱では、古い方が強度は高いのです。AR9のスピーカーも何百年もではありませんが、時を経た針葉樹系のスプルースというものを使っています。300年は生きられないのでわかりませんが、年月が経てば経つほどいい音になる、と信じています。バイオリンのストラディヴァリウスも、300年くらい経っていますが、古くなるほどいい音が出ます。ウッドコーンシステムも、それと同じ感覚かもしれませんね。

苫米地
木材つながりで言うとサックスは本体の材質は金属ですが、実は木管楽器のようなものです。リードには葦を使っていて、これが音決めの1番のポイントになります。僕は日本中を旅して「音楽紀行」というアルバムを作っていますが、これも自然の魅力があってこそのもの。だから、自然の素材で作られたウッドコーンはサックスにぴったりだと思います。是非、ウッドコーンで聴いてもらいたいですね。