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アーカイブ情報1978年から2009年にわたり日本ビクター(株)主催で開催された「東京ビデオフェスティバル」の情報です。
TVF2008のビデオ大賞および日本ビクター大賞の発表後に行われた「TVFトークフォーラム」。今回の入賞作品の傾向および作品について、審査委員や入賞者のコメントを紹介します。
TVF2008の入賞作品の傾向として3つが挙げられます。(1)中学生制作による作品多数(2)20代の若い女性の感性がますます輝く (3)作家性にすぐれた作品の充実
中学校放送部など中学生の制作による作品が優秀作品賞、佳作合わせて6作品入賞しました。審査委員の小林はくどう氏は「自分で現場を取材し、そこにある現象をメッセージとして素直に受け止めている」と評価しています。
ハンセン病患者への偏見・差別を訴えたドキュメンタリー作品『忘れないで』(杉並区立東原中学校放送部・東京都)に、羽仁進氏は「マスメディアだと取材者というものは映像には表れませんが、作品では取材している自分たちの存在を消さずに、そのときの感情を記録しているところに感心しました」とつくり方に着目しました。 第27回を皮切りに、今回で4回連続で20代の女性が受賞することになったビデオ大賞について、椎名誠氏は「文学界でも若い女性の文学賞受賞が目立ち話題になっていますが、ビデオ制作の分野でも若い女性が活躍してきています」と近年の若い女性たちの活躍ぶりを紹介。
「若い女性ならではの感性ということもありますが、身近な題材を作品化する力に目を見張ります」と小林はくどう氏は解説。女性ならではの感受性や着眼が、ビデオ制作の分野で大きく花開き、新しい創作の舞台を広げつつあるようです。
『蒲公英(タンポポ)の姉』(坂元友介・神奈川県)は、姉妹の心の動きを人形アニメーションで繊細に描いた作品です。高畑勳氏は「思春期の感覚を見事に捉えている力作」と言い、大林宣彦氏は「若い人たちは映像も音楽のように捉え、編集も実に上手い」と賛辞を送りました。
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