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音楽の旅

VOL.
09
   ビリー・ジョエル「ストレンジャー」 2017.December

ビリー・ジョエル「ストレンジャー」
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この記事が読者の目に止まる頃、世間はクリスマス一色のことだろう。街にはさまざまな定番クリスマスソングが溢れかえっているに違いない。しかし、私が何故かこの時期に思い浮べるのは、ニューヨークはマンハッタンの凍て付く露地裏の風景。誰かが吹く口笛が夜空にこだましている。ちょうどビリー・ジョエルの代名詞的楽曲「ストレンジャー」のイントロのように。

「ストレンジャー」は、1977年に発表されたビリー・ジョエルの5枚目のアルバム。売れっ子プロデューサー、フィル・ラモーンを起用して全米アルバムチャート2位を記録する大ヒットとなり、シングルカットの「素顔のままで」は、78年のグラミー賞の最優秀楽曲賞とレコード賞を受賞した(後に同作は、ビリーにとって最大の1,000万枚のアルバムセールスを記録)。

そして同年発表の6枚目のアルバム「ニューヨーク52番街」のさらなる大ヒットと79年のグラミー賞の最優秀アルバム賞等の受賞により、ビリーの人気は不動のものとなったのである。

ビリー・ジョエル「ストレンジャー」

ジャズ系の売れっ子スタジオミュージシャンと、長年演奏活動を共にしたバンド仲間とがバランスよく配分された「ストレンジャー」は、どこか寂しげなムードが漂う。そのクールでセンチメンタルな雰囲気をうまく再現できそうだと思って今回チョイスしたCLASS-Sイヤホンは、“WOOD 03 inner”(HA-FW03)だ。

ビリー・ジョエル「ストレンジャー」

クールだけれども、どこか澄んだイメージの口笛をクリアーに響かせるには、ハウジングが振動しにくいことが肝心だろう。その点HA-FW03は、ウッドとブラス、アルミといった異種材料を組合せることで固有共振を打ち消し合うメソッドをチョイス。美しい響きを実現するためのメタルハーモナイザーを設計、採用した。さらにドライバーユニットの背面にウッドスタビライザーを抱かせ、ウッドハウジング全体の響きを心地よい方向にコントロールすることに成功した。

「ストレンジャー」は、全米ではシングルカットされず、日本とオーストラリアのみでリリースされた、私たち日本の音楽ファンにとっては特別な楽曲だ(当時のオリコンチャートで最高2位を獲得)。

口笛の澄んだトーンの再生には、機械的なS/Nが重要。HA-FW03はその点申し分ない。哀愁漂うピアノに先導され、口笛のテーマメロディーがくっきり迫り出した後、リズミカルなギターラインが繰り出される。そのタイトなイメージも、CLASS-Sのイヤホンならではのハイグレード感がある。ビリーの歌唱も実に躍動的だ。

アルバムからの第一弾シングル「素顔のままで」は、当時のビリーの妻エリザベスに捧げられたといわれるミディアムスロー・ナンバー。印象的なフェンダー・ローズによるイントロと伴奏は、この鍵盤楽器の名手リチャード・ティーによるもの。温かみのあるビリーの声とストリングスのオーガニックな雰囲気も実に素敵だが、それはHA-FW03のキャラクターに負う面も大きいだろう。

間奏部やサビ、終盤にかけてのサックスソロは、ジャズ・アルトサックスの巨匠フィル・ウッズが吹いている。そのメロディアスなトーン/フレーズを聴いていると、雪が舞い散るニューヨークの夜の街を思い起してしまうのである。

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