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音楽の旅

VOL.
16
   クリストファー・クロス 「南から来た男」 2018.August

クリストファー・クロス 「南から来た男」
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夏になると、思い出したように聴きたくなるアルバムが、きっと皆さんにも1枚や2枚あるはずだ。私のそんな1枚が、クリストファー・クロスの「Christopher Cross(邦題/南から来た男)」だ。グリーン地にピンク色のフラミンゴが描かれたジャケットが実に印象的である。

1979年にリリースされた同アルバムは、クロスのデビュー作にして、1981年のグラミー賞の実に5部門を独占。一躍クロスは時代の寵児となった。特に主要4部門(最優秀アルバム賞と最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞)を総なめにしたのは、グラミー史上で初めてのこと。シングル曲「セイリング」は、1980年8月30日にビルボード(Billboard)誌で週間ランキング1位を獲得し、今日も高く評価されている。

クリストファー・クロス 「南から来た男」

透き通るようなそのハイトーン・ヴォイスから、どんな美青年が歌っているのだろうとマスコミは大騒ぎしたが、デビュー時はコンサートをせず、素顔も公開していなかった。それはレコード会社の戦略でなく、自身の容姿にコンプレックスのあった本人の意向によるものだった。後に聴衆の前に姿を現した時には、まるでプロレスラーのような大柄な縮れ毛の男であることが驚きを以て迎えられたのである(アルバムジャケットのスマートなフラミンゴのイメージとマッチしなかったことも拍車をかけたのだろう)。

しかし、その美声を生で聴きたいというファンがコンサートに大挙押し寄せ、第2作「Another Page」も全世界でベストセラーを記録。1981年の映画「ミスター・アーサー」の主題歌「ニューヨーク・シティー・セレナーデ」の世界的なヒットで、その人気は不動のものとなった。

では、そんなハイトーン・ヴォイスをスカッと気持ち良く聴けるJVC CLASS-Sヘッドホンは何か? 選んだのは、“WOOD 02 inner”「HA-FW02」だ。ハイトーン・ヴォイスをきれいに響かせるには、ダイアフラムやハウジングに余計な振動がないことが重要と見たからだ。

K2 TECHNOLOGY

HA-FW02の軽量ウッドドーム振動板は、リニアリティが高い点が特徴。振動板やハウジングに繊細で柔らかく自然な音を表現するウッド素材を多用している。またブラス、アルミなどの異種素材を組み合わたメタルハーモナイザーを採用。不要な振動をコントロールしてにごりのない響きを実現している。

風のSE(Sound effect)から始まる第1弾シングル「Ride Like The Wind(邦題/風立ちぬ)」は、ドラマティックなオープニング。印象的なオルガンのリフに導かれ、サビの部分ではマイケル・マクドナルドがコーラスで加わる。ホーンセクション、ストリングスも重なり、やがてスケールが雄大になっていく。切れ味鋭いギターソロも相まって、クロスの歌唱はさらにダイナミックに。その伸びやかさ、抜けのよさは、メタルハーモナイザーの高性能あってのことだろう。

大ヒット曲「セイリング」は、まさしく大海原にゆっくりと船を漕ぎ出すような穏やかな出だし。幾重にも重ねられたギターリフが美しく、透明感の高いクロスの声が涼風のような清らかさと爽やかさを運んでくる。軽量ウッドドーム振動板の持ち味がここに現われていると私は感じた。しっとりとした瑞々しさを醸し出しながら、声がストレスなくスーッと前に出てきたからだ。優しさを湛えたナチュラルな声は、暑い夏の一服の清涼剤のようだ。