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CLASS-Sなモノ・コト

VOL
10
   「我戸幹男商店」 猪口 “とうか” 2017.January

「我戸幹男商店」 猪口 “とうか”

CLASS-Sな逸品
「我戸幹男商店」 猪口 “とうか”

今回紹介するのは、この時期にあると嬉しい逸品、猪口である。手がけているのは石川県山中温泉に本拠を構える我戸幹男(がとみきお)商店。山中温泉のエリアは500年以上前に源泉を持つ漆器の産地として知られている。漆器を形作るのはもちろん木であり、それを加工して木地というベースを制作する。そこに漆を塗込んだり、蒔絵を施したりして、漆器として仕上げてゆくのだ。

同社は1908年に木地職人(木地師)の集団として発足したことがルーツ。現在はそうした技術を活かしつつ、木地のみでできた製品を展開している。また、 興味深いのは、そんな木地づくりの伝統や意思を継承しながら、現在活躍するプロダクトデザイナーとコラボレーションした製品を送り出しているところ。

「我戸幹男商店」 猪口 “とうか”D

「とうか」は山中漆器伝統の轆轤(ろくろ)挽きを用いて、耐久性を保ちながら、限りなく薄く削り出されてゆく。実際に使用してみると外側からでも、光を受けながら揺らめくお酒の様がわかる。したがって、その名称は「透華」に由来するものだという。ふわりと浮き上がるような木目も上品だ。

デザインを手がけたのは商空間や住空間の設計やプロダクトデザイナーとして活躍する浅野雅晴氏。轆轤挽きならではの同心円形状に、柔らかな曲線で縁取られたフォルムが調和した。手に取ると想像以上に軽く、手にもすんなりと馴染んでくれる。

「我戸幹男商店」 猪口 “とうか”

写真の富士や爽円のほか、夕凪、露道、日月と、猪口では5種をラインアップ。いずれも小さな底面からすっくとたちあがるシルエット。またそれぞれにPLAIN、BROWN、BLACKという3タイプの仕上げが用意されている。サイズはいずれも直径60mm、高さ40mm。さらに足の付いたワインカップが展開されているのも面白い。

こうした製品を作り出せる木の文化は言わずもがな日本に深く根付いているものだ。プロダクトの分野は全く異なるが、CLASS-Sのヘッドフォン、イヤフォンのウッドシリーズは我戸幹男商店の製品たちと、深いところで相通じるものがあるのではないだろうか。

木の利点を見出し、高い技術を駆使して、製品の完成につなげること。また上質なデザインが施されているところも共通している。こうした一流の製品を通して、たまにはじっくりと木に思いを馳せてみてはどうだろうか。とうかにお酒を注ぎ、ヘッドフォンで名曲たちに触れることができれば、なおさら良し。

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